月別アーカイブ: 2016年4月

人手不足解決の秘訣③:求人対象を変える

人手不足解決の秘訣③:求人対象を変える

商圏調査分析・立地調査・エリアマーケティング・FC本部構築展開・社員研修・店長研修・講演講師:働く

1.求人の需要と供給のミスマッチ

今回、人手不足対策に関する対応コラムの第3弾になります。

現在までのコラムで、人手不足を解消するには?『退職率を低下させること』『求人募集の方法を変えること』をお話しました。今回は『求人の対象』についてお話をしたいと思います。

これはフランチャイズ起業を検討の方以外も、独自のビジネスモデルで起業される方、既に事業を長く行っている方も対象となるお話となります。

人が集まらないというのは、『働いて欲しい』という企業側の需要に『働きたい』という労働力の供給が追い付いていないということです。

現在の有効求人倍率の平成27年度の平均は1.20倍(厚生労働省調査)という状況であり、1人に対して、1.20社が求人を募集している計算となります。

これは平成26年よりも+0.11ポイント上昇しています。

平成22年以降ずっと右肩上がりという状態です。

つまり、『買い手市場』が伸びてきていることです。

しかし、これに対して、今後はどうかというと『人口減少』というキーワードをもとに、『人口が減少』し、更に『少子高齢化』の影響を受けて、『働き盛り』はどんどん減っていくということは皆さんもよくご存じのことであると思います。

これまでのコラムでは、現在の『働き盛り』の層をどのように獲得するかについてお話をしてきましたが、今後将来的に考えるとこれも行き詰る時が来るとも思っています。

では、どうすることも出来ないのか?というと実は、まだまだ改善の余地があるのです。

需要に対して供給が潜在的に上回っている層が実はある

有効求人倍率とは、あくまでも、『公共職業安定所(ハローワーク)における求人、求職、就職の状況をとりまとめ、 求人倍率などの指標を作成し、一般職業紹介状況として毎月公表しているもの』です。

つまり、『働きたい』という意思がある人が、ハローワークに行き、求職の意思表示をして、その人の『就職状況』を表したものです。

あくまでも『働きたい』という意思が表明された人が対象であるということです。

しかし、これには『働きたいと思ってはいるけど、現在の状況を考えると働けると思っていない』人は、表明はしませんので、表されていないのです。

『働きたいけど・・・働けない』層が実は、3つあると思っており、私は今後、この層が働ける職場をつくることが必要であると思っています。

それが、『主婦』『高齢者』『外国人』の3つです。

それぞれは、雇用側も労働者側もお互いに何か問題があり、雇用側は敬遠しがちであり、労働者側も『働くことが難しいのでは?』と思っている層でもあります。

私は実は、その3つの層全てを雇用した経験があり、その方々の思いや考えを理解しております。その方の反応は実は『私が働けるとは思っていなかった・・・』という反応でした。

これには、3つの層の方々の働くことに関する障害があるのです。

3.3つの層の働くことへの悩み

 ①主婦

・主婦の方が働く動機は、家計の補填又は自身の小遣いのアップが目的のケースが多いようです。そのため、旦那さんの扶養にはこだわる方が多く、稼ぎたい額が決まっています。

・働く障害は実は、子供さんの存在です。保育園や幼稚園、小学校がありますが、一番心配なのは、『病気の時に休めるのか』という視点です。

・小学校から帰ってくるまでなど制約はあることが多いですが、この主婦層は非常に責任感も強く。従業員の戦力化がしやすく、シフト体制を構築することで採用が可能と考えます。

・家庭との両立が出来る体制を構築することが鍵となります。

・シフト体制の工夫は、次回のコラムでお話をしていきます。

②高齢者層

・高齢者の方は、実は『働きたい』と思っている方は非常に多いのです。

・特に定年退職をしてすぐの方は、仕事を退職し、家にいても『何かやりがいがない』という感覚です。

・しかし、通常の店舗で働くということに『気がひける』と思い、応募さえもためらっておられる方が多いのです。

・『気が引ける』理由は、『仕事の内容が覚えられるか?』という視点と『職場の若い仲間と一緒に働けるのか?』という視点です。

・つまり、仕事の内容に対する教育体制と職場の高齢者を受け入れる雰囲気づくりが重要となります。

・主婦同様、責任感は強い方が多く、接客等はこれまでの経験を活かして非常に丁寧など非常に良い面もある傾向が強いと思います。

 ③外国人

・外国人の方は、多くは、留学生の方が働くということが多い状況です。

・近年、コンビニや飲食店では増加してきておりますが、まだまだ、企業側が敬遠しがちなのではないかと思います。

・働く動機は生活費の確保が主な理由ですが、企業側が敬遠される理由は『言葉の壁』ではないかと思います。

・日本語が全くという方は、採用は難しいと思いますが、留学生は日本語が流暢な方も非常に多いのも事実です。

・しかし、文章の日本語が苦手な方もいらっしゃいますので、写真を活用したマニュアルの作成等、視覚で理解することができるマニュアルや教育の方法が重要となります。

・留学生同士の横のつながりは非常に強く、紹介ももらえやすいのが外国人と思います。採用の際には、ビザの確認は忘れずにして頂きたいと存じます。

4.まとめ

今回は、採用の対象についてお話を致しました。今後は、いろいろな層を採用していく企業側の対応が必要になる時代です。新しい層は新しい仕組みの構築が必要となりますが、決してそれは、企業側にとってマイナスになることではないと思います。

例えばインバウンド対策。来店が多い外国の方と同じ国籍の方を採用していたらどうでしょうか?言葉の問題が解決されます。人手不足解消という現在の課題をチャンスに捉えることができるように是非、前向きに取り組むことをお勧め致します。

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人手不足解決の秘訣②:募集方法を変える

人手不足解決の秘訣②:募集方法を変える

商圏調査分析・立地調査・エリアマーケティング・FC本部構築展開・社員研修・店長研修・講演講師:求人募集

1.求人の募集はどのようなものがあるのか?

本日は、人手不足解消を図るための、『人の募集』についてお話をしていきたいと思います。皆様は、求人募集というとどのようなことを思いつかれますか?

  • ・求人誌・求人サイトに求人広告を載せる
  • ・新聞に求人広告を載せる
  • ・求人募集チラシを作成し、店内で配布や折り込みやポスティングする
  • ・店頭に求人募集ポスターを貼る
  • ・求人募集カードを作成し、店内で配布する
  • ・既存の従業員さんから紹介をもらう
  • ・常連のお客様から紹介をもらう
  • ・退職された方に再度声をかける

行為はいろいろと思いつくと思いますが、おおよそ上記の内容のいずれかが多いのではないでしょうか?

では、次に書く内容はどんなことを書かれますか?

  • ・店名や住所等の基本事項
  • ・時給や勤務条件、休み等の情報
  • ・店内の雰囲気や従業員さんの雰囲気がわかる写真
  • ・未経験者でも歓迎や主婦歓迎等の募集対象者に関すること
  • ・お店のキャッチフレーズや特徴

おおよそ、求人誌であれば、求人のフォーマットにより、営業担当者が打合せし、掲載され、自社のものでもそれに習うケースが多いと思います。

人手不足で悩んでいる企業様で上記のことを実施出来ていなければ、即実施されることが重要であると思います。しかし、それでもなかなか募集して集まらないというのは現状ではないでしょうか?

私も全ての手をやりつくしても集まらない。そんな現状でした。

求人募集は定型的だけでは難しいと思っています。上記の行為を更に工夫する必要があるのです。次に工夫の仕方をお話していきたいと思います。

2.求人募集は集客と同じである

私は、お客様には求人募集は集客と同じであると言っております。

集客はマーケティング戦略の一つの結果であるため、マーケティング戦略の要領で検討する必要があります。

まずは、市場分析と商圏分析です。

一般的なアルバイト・パートの募集は小商圏の中で展開をされることが有効です。

また、学生を狙うのであれば、通学の導線上にあることが優先されると思います。

つまり、自店に求人として来て頂ける商圏はどのエリアでどういった方が求人を探しているのか、働く際のニーズは何かを考えることから始まります。

つまり、以前のコラムでお話をした『商圏を知る』ということは、求人募集についても必要となるのです。

実際に、家の近くや学校の近くで求人を探す方は非常に多いというのが現状となっております。

次に競合の募集状況を確認します。

どういった従業員さんの層が勤務し、時給がいくら、どんな勤務体系をとっているのか?

職場の雰囲気はどのような雰囲気で、離職はどうなのか?等競合を確認します。

これもマーケティング戦略でいう競合分析となります。

最後に自社の強みと弱みを分析します。

その強みが競合と差別化され、自店の商圏で働きたい希望の方とマッチする点を探し、その点を重点としたPRとして求人広告を出すということです。

マッチングをさせるにあたっては、短時間シフト制を設けないといけない場合もあるでしょうし、学生を採用するのであれば試験休みをどのように取得させるかも検討して、採用人員やシフト体制を組む必要があると思います。

この内容を再検討すると、実は求人募集広告の内容は非常に各社変わってくると思っています。今はどちらかというとその変化が少なく、受け手側からすると『知っているところ』や『時給・休み』等に目がいく結果になるのではないでしょうか?

マーケティングと一緒で、自社の特徴を重点的に媒体やチラシ等を活用して告知するという中身の見直しが必要となって参ります。

3.一番効果が高いのは紹介である

販売を行うという視点で考えると一番効果が高いものは何かというと皆様『紹介』と答える方がほとんどです。しかし、求人募集となると何故か『紹介』という声は上がってきません。

先ほどお話した通り、集客と同じですのであくまでも求人募集も『紹介』が一番効果高いと思います。ではどのように行えば良いのでしょうか?

既存の従業員さんから知り合いを紹介してもらう

当然、従業員さんに、どの時間帯でどんな人を募集しているのか?を伝えないといけません。更に、従業員さんが自分の回りでどういった人を紹介すればいいのだということがイメージできなければ紹介はまず生まれません。紹介するメリットも必要です。

営業の紹介でも同じですが、『誰か紹介してもらえませんか?』では、紹介する側も誰を紹介したらいいのか考えるのが面倒であるため、『わかった』と言っても紹介はしてもらえません。それと全く同じです。

その結果、『周りには働きたい人いなんです』という返答になります。

人手不足の結果、従業員さんに負荷がかかっていない限り、従業員さんにとっては他人事なのです。更に注意点があります。人を紹介することに従業員さんは次のような不安も同時にもっています。

・人が増えたら、シフトが減らされて給料が減るのではないか?

・紹介した人が自分よりも仕事が出来て、自分の立場が危うくなるのではないか?

・逆に紹介した人から職場の苦情をもらい、関係が悪くなるのではないか?

この点に配慮が必要です。シフトは現行のまま頑張ればある程度はそのシフトを保証して上げる必要がありますし、一番はその従業員さんが自分に自信を持ち、職場にも自信を持つことが必要となるのです。つまり従業員の戦力化が紹介には不可欠となります。

お客様に従業員さんを紹介してもらう

『お客様の息子や娘を紹介してもらう』『近所づきあいをしている主婦の方を紹介してもらう』等のケースです。

このためには、当然、お店の常連客となってもらい、お店に高いロイヤリティを感じてもらい、従業員さんがイキイキと働いていることが前提となります。

つまり、商品や価格、接客等のレベルを上げることが重要となります。

これは、マーケティング戦略と従業員の戦力化の2つが必要になると思います。

お客様から直接スカウトする

これも②と同様でまずは、お客様に常連になってもらい、更に会話の中で、働きたいニーズがあるのであれば、提案するという形になります。

そのためには②と同様の行為が必要となります。

4.まとめ

最終的には、既存の従業員さんが募集でも軸となります。

人手不足に悩む企業や店舗程、新規に目がいき、既存の従業員さんの視点が薄いと思います。全ては既存の従業員さんを戦力化し、働きがいを持たせることが最重要となります。

戦力化の手法については、今後のコラムで発信をして参ります。

是非、募集の方法の見直しを検討されることをお勧め致します。

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人手不足解決の秘訣①:退職率を低下させるには?

人手不足解決の秘訣①:退職率を低下させるには?

商圏調査分析・立地調査・エリアマーケティング・FC本部構築展開・社員研修・店長研修・講演講師:退職

1.退職率は何を意味するか?

前回のコラムでは人手不足というものに視点を合わせてお話を致しました。

今後は、人の変わりにPepper等のロボットも一役かう時代がくると思いますが、コミュニケーションを必要とする接客業では、もう少し先のようです。

本日のコラムでは、人手不足を解消するための一番目の『退職率低下の対策』についてお話をしていきたと思います。

これは、前回のコラムで『人手不足解消』のための対策の一番目になります。

そもそも従業員さんはなんで退職をするのか?ということからお話をしていきたと思います。おおよそ次の2つの理由から退職をされます。

①生活環境の変化要因

これはまさに、『退職されてもしょうがない』というものです。

・高校卒業により、引っ越し又は就職による退職

・大学や専門学校の卒業や実習等のために退職

・フリーターが正社員として就職することによる退職

・主婦が、旦那さんの転勤による退職

・主婦が、正社員として再就職することによる退職・・・等

つまり、従業員さんの生活環境の変化によって、生じる退職となります。

これは、従業員さんに『生活環境を変えるな』と言っても解決しませんので、笑顔で送り出して上げることが必要となります。

②現在の仕事への不満要因

ここの視点を改善することが退職率低下に繋がるのです。例えば・・・

・時給が安いから他の高いところへ働き先を変更したい

・新しいことをやりたいから働き先を変更したい

・もっと楽しい職場に行きたい

・通勤が大変なので、もっと近くで働きたい

・仕事量についていけないので退職したい

・もっと評価される職場にいきたいので退職したい

・学業に専念したいから退職したい

・家庭の事情で〇〇の面倒を見なくてはいけないので退職したい

学業に専念したいや家庭の事情は生活環境の変化のように思えますが、私の経験ではほとんどの場合はそれ以外の職場に行く際の辞める言い訳のケースがほとんどです。

退職されて、よそですぐに働いているのを見るのはよくあることです。

退職率が高いということは、自店の店内体制が出来ていないことの典型的な現れだと思っています。つまり、『働き甲斐があり』『職場の仲間と仲良くできる』『楽しい』等を満たしていないということです。

では、次のような視点で考えて見たいと思います。

2.果たしてその問題は、入社前にわかっていなかったのか?

例えば、時給が他よりも低いという視点ですが、入社前にわかっていなかったのでしょうか?

当然、求人誌やポスター等で1社だけで応募することはまずありません。ほとんどの場合は、働きたいタイミングで募集を行っている他の企業と様々な要素で比較検討し、応募します。何にも考えずに、応募する方はまずいません。

つまり、入社の段階では、時給の視点はクリアしているのです。後で、時給という問題を取り上げるということの従業員さんの心理は次の2つのどちらかです。

  • 思っていた仕事と違ったため、時給がわりに合わない
  • シフトとの関連で思っていた給料より、月額が低い

つまり、仕事量が時給に見合っていないというギャップと月額の給料の問題となります。

これは、実は面接段階に問題があるのです。

働く職場が遠かったというのもこれも入社時点ではクリアできている問題となります。

ここで考えないといけないことは退職率を低下させる視点としては、実は2つのことが重要となるのです。

  • 採用面接は、応募側の力量や適性を見るだけでなく、募集側の実態を正確に把握して頂くことが必要であること
  • 店内体制を確立しなければ、時給の問題は一生つきまとう問題であること

つまり、採用面接の内容の見直しと店内体制の確立が非常に重要となるということです。

3.理想とされる採用面接と店内体制の構築方法は?

①理想とされる採用面接

私は、以前の職場で店長時代やSV時代では、採用面接を自身でも実際に行ってきま

した。その経験から採用面接はお互いのことを知る『お見合いの場』だと思っています。私は、店長時代は人がほとんどいないにも関わらず、募集を行った人の約3人に1人程度しか採用してませんでした。それは妥協をしても後が一緒だからです。

ここで言う妥協というのは、お互いの視点でお見合いが成立しなかったということです。その結果、採用した後は、従業員さんは生活的環境の変化要因以外での退職は0になりました。

どのように説明を行っていたかというと・・・

・採用面接ではない。お見合いであることを伝える

・自店の自己紹介

・自店の目指すべ目標、与えられている使命(直営店は特にあります)

・自店の仕事内容の実態(かなり大変で厳しいことは正確に伝えます)

・自店で働く従業員さんのメリット・デメリット

・応募者の自己PRと志望動機、必要な月額のヒアリング

・可能時間帯と勤務希望曜日、働ける期間

・(採用をする方向の場合は)応募者に期待すること

つまり、こちら側の思いや要望をしっかり伝えた上で、応募者の考えをヒアリング

し、マッチング出来る場合のみ採用をするとうことです。

人手不足の際はどうしても目の前の応募者に目がいってしまうことがあるのも良くわかります。その場合は、必ず店内体制でこのお店の虜にしてやろうぐらいの気構えでなければ、採用し、すぐの期間でやめてしまい、『せっかく教育したのに・・・』と言っても始まりません。当然教育にもコストが発生することですから、お見合いが大事だと思います。

  • 店内体制はどのようなことをつくれば良いのか?

次のお店の『働き甲斐』や『職場環境』を満たすための店内体制についてです。

店内体制確立に必要な要素は次の要素が必要であると思っています。

・店長の従業員さんへの気遣い=最初は積極的に仲間に入れて上げる事

・明確な目標と達成の進捗管理=行為計画

・明確な仕事の基準と指示を達成する教育と進捗管理=作業割当

・従業員を動機づけ=率先垂範

・仕事への責任と権限の委譲=役割分担

・情報の共有化・経営への参画=ミーティング、朝礼、情報ノート等

・公平なる評価=評価制度、叱ると褒める

・職場環境を円滑にするイベントの開催

上記のような仕組みを構築することが重要となります。

この構築方法については今後のコラムの中で更に具体化させていきます。

要は、従業員さんが『働きがい』と『楽しさ』を感じる『店内環境』をつくり、従業員さんが『仕事ができる』ことを実感してもらう『戦力化』を図ることが重要なのです。

4.まとめ

本日は、従業員さんの退職率を低下させるための『採用面接』の見直しと『店内体制』の確立についてお話を致しました。特に『店内体制』の確立については、非常に重要であるため、今後のコラムでも詳細お話をしていきたいと思います。

『退職率が多いな』と思ったときは、今の従業員は『骨がない』といっても一生人手不足は解消しません。『人』の問題解決も時代の変化への対応が重要なのです。

是非、実践をされることをお勧め致します。

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築地市場の移転!!築地移転後の銀座界隈はどう変わるか?

築地市場の移転!!築地移転後の銀座界隈はどう変わるか?

商圏調査分析・立地調査・エリアマーケティング・FC本部構築展開・社員研修・店長研修・講演講師:築地

《節約社長寄稿分》

1.築地市場の移転

『2016年11月に築地市場が豊洲に移転をする』

このニュースを聞かれて、今まであんなに栄えていた築地市場はどうなるのか?不安と寂しさを感じられた方も多いのではないでしょうか?

今回の移転は、場内だけとなっており、場外にある飲食店等のある商店街についてはそのまま残るということになっています。

しかも現築地市場の敷地面積は東京ドーム5個分とも言われ、その跡地に何が果たしてくるのか?逆に楽しみな方もいると思います。跡地には、『築地魚河岸』と呼ばれる施設が建設され、仲卸業者約60店舗(93区画)が出店予定とも言われています。

また、カジノの話や野球場やサッカー場等のレジャー施設という話も上がっている状況となっています。

今回は、今後の場外の飲食店等の商店街の動向について考察していきたと思っております。

2.築地はなぜ栄えたのか?

最初に、なぜ築地は栄えたのかという視点をエリアマーケティングの視点で考えていきたと思います。日本最大の市場の販売額を誇る築地市場は、新鮮な魚介類を東京や関東だけでなく日本全国に供給するという意味で、非常に栄えてきました。

そこには、当然、飲食店や卸業者も多数、仕入れに行き、築地事態がお客様を呼びこむマグネットとして働いていました。また、築地市場事態が観光名所として機能しており、日本人観光客だけでなく、外国人観光客まで引き寄せる施設であったと思います。

そのマグネットに隣接する場外の商店街は導線上、非常に好立地に恵まれており、関連して売上を上げてきたのです。

しかし、実は、築地の場外はそれだけで繁栄してきたのではないとも思います。

築地市場の反対側、つまり日本最大のショッピング地域である『銀座』を半径1km圏内に控えており、銀座にも隣接しているという点で非常に大きなメリットがあったと思います。

また、交通の中心である東京駅についても半径2km圏内と、実は、市場以外にも大きな集客に繋がるマグネットとなる施設はそのまま残るということになります。

つまり、築地は築地市場単体で集客が出来ていると考えるのではなく、銀座や東京駅、築地市場でお客様が回遊することで売上が上げる立地となっていると考えられます。

築地市場が移転した後も、そのまま場外のほとんどの飲食店等はそのまま残るということですから、店舗が集合することで起きるマーケットのポテンシャルは、残るということです。

つまり、変化として考えられることは、次の2つであると思っております。

  • 築地市場=新鮮な魚介類が食べたり、購入したりすることができる

⇒このブランドイメージが豊洲に移転されるということ

  • 築地市場の場内のマグネットが新施設のマグネットに変わり、客層が変化されること

ではないかと考えております。

3.今後の築地市場に求められること

上記のことを踏まえると、築地市場に今後求められることは2つであると思います。

  • 現在までの『築地市場』ブランドから新たなブランドの確立

・これまでは、市場で取れたてという視点が強く、非常に新鮮な点が差別化として

築地市場にあったと考えられます。

・そのため、その素材を活かしたという点で寿司屋が多く、この築地には点在してい

ました。しかし、それが豊洲に移転するとなると、新たな付加価値をこの築地市場

に付加しなくてはならないと思います。

・当然、新設される場内には仲卸業者も入居しますが、マグネットとなる新施設のコ

ンセプトと併せて、店舗の商品も変化しなくてはならないものと思います。

・つまり、周辺環境の変化に、よって各店舗が大枠の中ではブランドコンセプトを併

せて、各店毎の特色を差別要因として出していくことが重要であると思います。

築地市場の新ブランドの確立と同時に、周辺の店舗もそのブランドに併せて商品を変化させ、街全体で新しいブランド化を図る必要あると思います。

  • 客層の変化への対応

・これからの新施設の内容によっては、当然、来店される客層に変化が出てきます。

この変化に従って、商品、価格、販路、販促、店舗イメージを変えていかなければ

ならないと思っております。

つまり、新しい客層にニーズに対応するお店づくりが要求されてくると思います。

4.まとめ

地域の環境の変化は、この築地だけでなく、日本全国どこでも影響が大なり小なり必ずあります。交通量や人口も変化もその一つです。

仕事柄マーケティングのご支援を多数させて頂いておりますが、企業や店舗が生き残るには、『変化への対応』これが出来ない企業は淘汰されてしまいます。

そのため、築地市場を他人事と考えずに常に、その変化にアンテナを張り、変化への対応を機敏に行っていきたいものです。

筆者としては、『築地市場』については、この大きな環境の変化に対応して、各店舗、企業が変革を起こすことで、必ず元の活気がある市場に戻ると信じております。

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コンビ二業界「人手不足」の現状とオーナー店が対処すべきこと

コンビ二業界「人手不足」の現状とオーナー店が対処すべきこと

商圏調査分析・立地調査・エリアマーケティング・FC本部構築展開・社員研修・店長研修・講演講師:人手不足

1.コンビニ業界の人手不足の現状

人口減少、少子高齢化という時代を受けて、『人手不足』が続いています。

私が所属していたコンビニ業界は、その典型例ですが、飲食業、サービス業も『人手不足』の状況は深刻化しており、その改善の方向性は、見えていない現状です。

実際に、私にご相談がある内容は、多店舗展開や店舗の新規開業、販路拡大等のマーケティングに関連することが多いのですが、その時に必ず話が出るのが『人手不足』の悩みです。これは、俗に言う『能書きの対策』だけでは、対応が出来ないと考えております。

今回のコラムから連載で、この『人手不足』の問題について、現場の実態と対策のコラムを書いていきたと思っております。

私自身、実は、店長時代に従業員6名と店長・副店長でオペレーションを回しておりました。最低2人体制をとっており、24時間営業ということを考えると社員の勤務体制は想像ができるものと思います。その後、SVになっても同じ状況の担当店は多数あり、オーナー店からしてもこの『人手不足』の問題は、正直、売上を上げることよりも優先的な課題であるとも思っております。

今後、この状況は打開されるのでしょうか?

正直、今後は、益々厳しくなると思っております。

しかし、打開策がないわけではありません。コンビニ業界も含めて、従業員さんの視点を変えていく必要性があると思います。

2.なぜ店舗で人手不足が発生するのか?

まず、一番始めに考えていかなければならないことは、皆様が当たり前のこと思われることだと思いますけれども、復習をしたいと思います。

『なぜ人手不足が発生するのでしょうか?』

この理由は2つあります。

1つ目は、『辞める方の人数』に対して、『入る方の人数』が下回るために発生するということです。つまりバランスがあっていないということです。

◎人手不足= 辞める人の数 > 採用人数

2つ目は、採用する人員の希望の時間帯やスキルがお店の要望にあっていないということです。これは、コンビニ経営をされる方としては良くわかると思いますが、『早朝の時間帯だけ人手不足』等こちら側の希望するシフトの人員の採用のみが出来ないということ、また、採用したもののなかなかオペレーションに能力が追い付かず、なかなか独り立ちさせることができないため、そのシフトに人を割り当てないといけないという問題だと思います。

◎人手不足= 希望シフトの不足人員 > 希望シフトへの採用人員

◎人手不足= オペレーションの必要能力 > 採用した従業員の能力

店舗経営者の方は、『当たり前』と思われたでしょう。

しかし、私は、ここに『人手不足を解消する秘訣』があると思っております。

つまり、『人手不足』を解消するには、実は5つのポイントがあるのです。

それについてお話をしていきたいと思います。

3.人手不足を解消するには?

ここでは5つのポイントについて概略を説明したいと思っております。

①退職率を低下させること

『辞める人の数』を減らす、つまり『退職率を低下』させることと思います。『就職で学校を卒業』『旦那さんの転勤で退職』などのどうしようもない理由以外の退職は実は減少させることが出来ます。これは私自身が店長、SVで実践してきておりますので断言できます。

オーナーさんの考えでは、『それが出来ないから悩んでいるんだよ』『今の若者は・・・』という声が聞こえてきそうですが、まず、これを軸に置かなければ、『人手不足の解消』には、時給を上げようが、募集層を変えようが、一生その悩みから解決できません。

そのためには、実は『退職理由』を正確に把握し、『従業員さんを戦力化』することが重要なのです。

②募集方法を変えること

『採用する人数』増やすために、募集方法を変えるということです。

現在、『人手不足』の店舗は、求人募集を継続して実施していると思いとます。

しかし、私がいつも思うのは、なんで、どの求人広告も似たりよったりなのか?ということです。

販促用の広告であれば、他社との差別化ということで内容を他と変えようと努力されますが、求人募集だとどこも一緒になってしまいます。つまり、求人広告会社に強く要望されない限り、内容は変わりません。

また、広告で集まる『新規顧客の人数』は少ないことがわかっているのに、なぜか同じ広告の『求人広告』にはそれ一辺倒になってしまう傾向があります。

私の経験だと一番営業でも即効性が高いと言われる『紹介』がうまく利用できている店舗は少ないと思います。むしろ、人手不足に困っていない店舗程、『紹介』で成り立っているのではないでしょうか?

③求人ターゲットを今後、変える必要がある

2つ目の『採用する人を増やす』つまり応募人数を増やす対策です。

コンビニや飲食店等の求人というと『なんとか学生やフリーターを・・・』とお考えの方が多いと思います。しかし、人口減少で学生はどんどん減ってきております。

その対策として、時給を上げて対応するというのが本音ではないでしょうか?

また、コンビニ業界では特に、時給を飲食店並に上げることが可能ですか?

私は難しいことを痛い程理解しておりますが、今後将来的にもその層のみの求人をメインにしていては、難しいと思います。

そこで世の中でも良く言われる3つの層を採用できるシステムを作っていかなければなりません。それは『主婦層』『シニア』『外国人』です。

都市圏のコンビニでは『外国人』の採用は積極的にもう実施してきておりますが、その仕組みが本当に出来上がっている店舗は少ないと感じます。

3つの層を、採用し、戦力化するにも実は、仕組みがいるのです。

④シフト構造を変える

『希望するシフトの人手不足の人数』を仕組みで変えるということです。

シフト設計は実は、同じ人員でも、人手不足解消にも繋がりますし、逆に人件費アップの要因にもなります。

シフト構造を従業員さんのニーズと人員を勘案して設計方法を変えることで同じ人員でも人手不足の内容は変わってきます。

このシフト設計の見直しが重要となります。

⑤オペレーションの必要能力を下げる

これは、仕事の質を下げるということではありません。

仕組みで、個人の能力に起因する要因は排除していくということです。

『誰でも、すぐに、できる』レベルに仕事をわかりやすくしていくということです。

つまり、仕組化をすることで、個人の必要とされる能力レベルを下げていくということです。

店舗には、様々な仕組みがありますが、私は、作業割当が一番重要であると思っています。

4.まとめ

今回は、『人手不足解消』をするための、5つのポイントをお話させて頂きました。

今後のコラムではこの5つのポイントを詳細にお話していきたいと思っております。

私がいつも思うのは、『人手不足』というのは、各店全て同じ条件ではなく、『人手不足』の店舗は、『いつも人手不足』であり、『人手不足』に困らない店舗はほとんど困っていないように感じます。その違いが何か?今一度考えていく必要があると思います。

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これからの中小企業のKPIは何か?

これからの中小企業のKPIは何か?

商圏調査分析・立地調査・エリアマーケティング・FC本部構築展開・社員研修・店長研修・講演講師:指標

1.これからの中小企業に考えて頂きたい経営指標

先日セミナーを開催した際に、『これからの中小企業においてのKPIは何がいいのか?』というご質問を頂きました。本日はこの点について、お話をしたいと思います。

そもそも『KPIとは何?』という方もいらっしゃると思いますので、その内容から説明をしたいと思います。

KPI=Key Performance Indicator の略称となります。

これでもわかりづらいと思いますので、簡単に説明を行うと『企業目標の達成度を評価するための主要業績評価指標』のことを言います。

目標の達成度を図る指標です。これは戦略や計画の達成度の指標となります。

例えば、客数を上げるという戦略があった場合には、新規客を〇人増やすや既存客の割合を〇%にする等がこのKPIとなります。

中小企業では、あまり考えない指標のようですが、実は非常に重要な指標となります。

企業の最終目標は、利益の改善ですが、利益を改善するためには、売上の改善や経費の改善があります。

では売上を改善するには、客数を改善する必要があるのか?客単価を改善する必要があるのか?という視点となりますが、『客単価を改善しよう』としても現場では何をしていいのかわかりません。

ですから、行為に関する達成目標を立てます。例えば、客単価を構成するものは、以前のコラムでもでも述べましたが、『買い上げ点数』と『1点当たりの単価』となると思いますので、『買い上げ点数』を今の3.2⇒3.5にしようというのがKPIと呼ばれる指標ということです。

KPIは具体的に現場で改善活動を行う上で、行為の達成目標指標と言うことです。

私は、コンサルティングの際には、必ずこのKPIを3つ設定しております。

なぜ3つかというと論理的な根拠はないのですが、現在マーケティング戦略支援を行っていると、当然打つ手の数が多ければ多いほど、数値改善には繋がりますが、現場での徹底度が下がるので、一番結果が出やすいという経験値が3つなのです。

2.中小企業の現在の経営環境から考える共通のKPIは何か?

これからの中小企業全般における、社会環境の変化を考えると次のようなKPIが必要になってくると思います。当然、現在までお話した商圏や業界によっては変化するものと思いますが、おおよその環境は当てはまっているものと思います。

1つ目は人口減少という環境を踏まえてのKPIです。

これは客数改善に起因する行為です。

それは『商圏シェア』又は『来店頻度』であると思っております。多店舗展開を積極的に行っているフランチャイズチェーン本部等は当然、商圏シェアとなると思います。独立起業を行ったばかりの個店は『来店頻度』になるのではないかと思います。

つまり、人口が減少するので、同じ人に何回も来店してもらわないといけないということです。それで要は『客数』を維持するということなのです。

この来店頻度は、食を扱う業界でも違うと思います。

例えば、日用品等を多数扱うコンビニやスーパー等は、週1回を2回に出来ないか?という視点になると思います。飲食業のフランス料理店なら1年に1回という来店頻度からもしれませんが、それを半年に1回に出来ないかと考えるのが、来店頻度の改善となります。

2つ目は、客単価の改善に起因するもので、『買い上げ点数』の改善です。

1点当たりの単価を改善する目標を業種によっては、掲げることもありますが、おおよその企業様は、値上げを実施していくということは付加価値を変えないと難しいと思いますので、『追加で何か購入してもらう』ということになると思います。

これは関連購入を増やすということで全業種に当てはまる戦略です。

例えば、パソコンを販売しているお店が追加でインターネット接続機器を販売するということです。次のコラムではこの客単価改善の方法について考え方をお話していきたいと思っております。

飲食業界でも同じです。通常メニューに追加して、『本日のお勧め』を従業員さんが『お勧め販売』をしたりすることもこの『買い上げ点数』を改善する行為となります。

人口が減るのであれば、単価を改善して、売上を維持、伸ばしていこうと考える戦略になります。

3つ目は、個々の企業様によっては変わることが多いですが、私は従業員の戦力化人数というのも重要な指標となると考えております。

2つ目の客単価の改善は、おおよそ販売をする営業マンや接客をする従業員さんの接客技術の改善がなければ達成することは出来ません。

例えば、当初は、お客様に『お勧め販売ができる』従業員さんは1人しかいなかったものが10人全員できるようにすると当然、客単価が上がります。つまり教育や人が動きやすい仕組みに対してKPIを設けるということです。

3.まとめ

今回は、このKPIという、ちょっと難しい用語についてお話をしましたが、売上や利益の達成目標はあっても行為の達成目標はない場合が多いと感じます。

現場で数値改善を行う際には、具体的な行為に達成指標がなければ、動きませんし、併せてその達成目標が売上・利益に直結し、一番改善効果の高いものが優先的に掲げなければ効果が薄いものとなります。これから起業される方も是非、このKPIを考えた上で、事業計画を検討していかれることをお勧め致します。

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売上アップに繋がるブランディグとは何か?

売上アップに繋がるブランディグとは何か?

商圏調査分析・立地調査・エリアマーケティング・FC本部構築展開・社員研修・店長研修・講演講師:ブランド

1.ブランディングとは何か?

前回のコラムで消費飽和時代に重要な3つのポイントのうちの『差別化戦略』についてお話をさせて頂きました。本日は、2つ目の『ブランディング』についてお話をしたいと思います。

現在、お客様は消費が飽和している時代では、お客様の売り手への警戒感は非常に高い状況となっております。昔はよくあった家へ営業マンが飛び込み訪問し、物品を売ることがありましたが、今ではほとんどなくなっていると思います。

それは売り手側も非常に効率が悪くなっており、簡単にドアが開かないからです。

つまり、お客様は基本売り手には、『疑ってかかっています』

起業されて間もない方は嫌という程、経験していると思いますが、技術や商品は良くても『信頼』がないから売れないという状況。

ここを中小企業含めて改善する戦略が『ブランディング』戦略であると思います。

カタカナ文字ですから非常にわかりづらいですので簡単に言うと、

『〇〇』と言えば『〇〇(商品や会社名)』をお客様に認知させ、信頼を得ることです。

『バック』と言えば『ヴィトン』みたいなものです。

よく『ブランディングするためにロゴマークを作りましょう』や『パッケージを変えましょう』といった話がありますが、それでブランディングが出来るのであれば、こんなに簡単なことはありません。あくまでも『ブランドイメージ』であって、ブランディングではありません。『ヴィトン』のバックが『ロゴマーク』でイコール『バック』となったとは考えることは出来ません。

私は、ブランディングで欠かせないものは3つであると考えております。

それは、『商品』と『評価』と『情報発信』であると思っています。

次からはその3つについてお話をしていきたいと思います。

2.ブランディングにおける商品と何か?

1つ目の商品についてですが、ここで一番重要なことは『差別化戦略』です。

自身の商品や会社名が何で『〇〇と言えば〇〇』になりたいかということになります

これは店舗型ビジネスであれば、商圏がありますので『〇〇地域の〇〇と言えば〇〇』ということになると思います。

例えば、『〇〇市の価格の安い酒屋』と言えば『ディスカウントセンター〇〇』これも立派なブランドです。『〇〇市の朝7時間まで空いている居酒屋と言えば〇〇』これもブランドです。ブランドを作ると言うと、品質が圧倒的なものでないといけないというイメージがありますがそうではないと思います。

自社が立てた『差別化戦略』がお客様を満足させ、信頼を裏切らないものとして商品化されていることが重要なのです。

3.ブランディングは他者評価である

2つ目の『信頼』ですが、ブランディングは『自己評価』ではなく、あくまでも『他者評価』であるということです。『自分のところの〇〇は地域一番の味です』と言ってもその人にそもそも信頼性がなければ、誰も信じません。

しかし、信頼おける人から『あそこのお店の〇〇はここら辺では一番の味だよ』と言ってもらえれば、信頼がおけるということです。つまり『他者評価』なのです。

そのためには2つのことが重要となります。

1つ目は、権威ある第3者の団体や発信力ある人からからの評価です。

TVの番組で芸能人が食レポに行き、ここの〇〇は非常に美味しいとテレビで言っただけで、次の日は行列ができる。そんなことを見たり聞いたりした方は多いと思います。

消費が飽和しても『誰々が美味しいって言う』と『行ってみたい』と消費を喚起するわけです。

つまり、この権威ある第3者や発信力のある人からどのように発信をしてもらうかということが重要になります。

テレビやマスコミや雑誌、新聞、情報媒体、地域の情報発信が出来る人等、発信力の大小があるにせよ、多くいらっしゃいます。ここに情報を発信してもらう仕組みが必要となるのです。

2つ目は、お客様の評価です。お客様の評価により、口コミが増える。

そんな話をよく聞くと思います。どれだけネットが発達してもリアルでの口コミは強いものです。更にネットでの口コミを書く人は、全体のほんの少しですが、それが、大半の人に大きな影響を与える時代となっています。

つまり、お客様の高い評価を得るだけでなく、情報を発信してもらう仕組みをつくる必要がある時代なのです。

4.情報発信

3つ目の『情報発信』です。

1つ目で『差別化された戦略に基づいた商品』を作り、2つ目で『第3者やお客様に評価を頂き、発信してもらう』そのためには、待っていてもしかたありません。

つまり、自社・自店で情報発信が必要となるのです。

最近良く言われているのが、『ニュースリリース』は良く言われています。

これは、第3者の権威ある団体や人に情報を発信してもらう仕組みの一つです。

更に『食べログ』に代表される、『口コミサイト』に記入してもらう。これもお客様の評価を発信する仕組みとなります。

こういった媒体を活用し、自社でSNSやブログ等を通じて情報発信をすることが非常に重要になります。

そこで重要なことは何でも情報発信すれば良いのではなくて、『〇〇と言えば〇〇』を認知して頂き、信頼を得ることが目的なのですから、それに応じた情報発信が必要ということになります。つまりすべてにおいて最重要なことは『差別化戦略』ということになります。

5.まとめ

起業を今後される方や起業して間もない方はこのブランディングの壁が非常に高い障壁として待っています。フランチャイズに加盟するメリットの一番大きなものは、私はこの『ブランド』を手に入れることができることではないかと思っています。

しかし、ブランドは一度確立されれば、大きな売上に繋がるのも事実です。ブランディングで一番重要なことは戦略とコツコツと発信を続けること。

是非、継続して実践されることをお勧めします。

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差別化戦略はどうすればいいのか?!

差別化戦略はどうすればいいのか?!

商圏調査分析・立地調査・エリアマーケティング・FC本部構築展開・社員研修・店長研修・講演講師:差別化

1.差別化とは何か?

前回のコラムで消費飽和時代に重要なことは『気づき』『差別化』『ブランディング』であることをお話致しました。今回はその中の『差別化』についてお話をしたいと思います。

中小企業様の販路拡大についてご相談に応じていると、『差別化』についてお話をすることが多々あります。特に行政機関からの依頼で専門家として派遣される際にはその傾向が強いと思います。

ほとんどのご相談が『売上が上がらない』『近くに大手の〇〇が出来て売上が下がってきている』というお話を頂くことが多いからです。

その際に、必ずお話をするのは、お客様があなたのお店に『いく理由は何か?』ということです。つまり理由がなければ、スケールメリットがあり、信頼性が高い大手に行くのは『当たり前』のことだと思います。

立地の重要性についてもお話をしましたが、当然、大手の方が、家賃が高い立地でも出店が可能であり、特に零細企業においては、立地面で大きく差別化することが困難であると言えます。

商圏において、競合となる店舗が全くない地域であれば、普通に店を開けているだけで、売上が上がるかもしれません。しかし、そのようなエリアはほぼ稀であり、必ず競争が発生しています。

その競合に勝つ戦略が『差別化戦略』となるのです。

しかし、『差別化戦略』というと他社と全く違うサービスや商品を提供しないと差別化できないと思われている方もいると多い状況ですが、果たしてそうなのでしょうか?

例えば、美容室があるとします。商圏内の競合の美容室は19時で閉店するとします。

そこが事業所立地であるとします。会社帰りに美容室によるのは困難でしょう。

しかし、営業時間を21時までにしていればどうでしょうか?

会社帰りに美容室に行きたいというニーズがあれば、その店舗は会社帰りのOLさんに向けた美容室サービスをメインに差別化しているということになります。

これは営業時間をただ2時間変えただけです。これでも会社帰りに美容室に行きたいOLさんからすれば、あなたのお店に行く動機となるのです。つまり差別化されているのです。

ここで重要なのは『商圏の中のお客様のニーズ』と『他社がそのニーズに対してどう対応しているのか?』という2点です。

重要なことは、この『お客様のニーズに対してどの部分で他社よりも優位性』を出すかではないかと思います。これが『差別化戦略』なのです。

2.差別化戦略を立てるには3つのポイントがある

ではどのようにしたら、差別化戦略が立案できるのでしょうか?

ここで重要なことが実は、『商圏調査=お客様を知る』『競合調査=敵を知る』『自店分析=己を知る』という3つであると思います。

商圏調査で一番重要なことは、人口等を調べるということではなく、お客様のターゲットとそのニーズや利用シーンを知ることであるということをコラムの中でお話をしてきました。

つまり、『商圏』を知らなければ、差別化戦略は立てることは店舗型では出来ないのです。

ですから、『商圏調査』が非常に重要なのです。

これは今までお話をしてきましたので、ここでは割愛致します。

次に、競合を知らなければ差別化戦略は絶対に立てることが出来ません。

よく、開店前のプレオープンに立ち会うことが多いですが、その前にセレモニー的なものを行うことが多いですが、その際に店舗の経営者の方から良く言われる挨拶です。

『当店は地域一番店を目指します』この宣言は非常に良いことなのですが、ここで疑問をもって頂きたいのです。

『何で地域一番店を目指すのか?』売上なのか?接客なのか?

『何をもって地域一番店であることが達成したと判断するのか?』

つまり、実務では競合の売上を予想できなければ、売上で一番になったともわかりませんし、

競合の接客レベルがわからなければ、一番になったこともわかりません。

競合調査がいかに重要であるかをご理解頂けると思います。

競合調査は主として競合の強みと弱みを調査します。

どんな大手でも強みもあれば弱みもあります。

次に自店を知るためには、自店分析を行わなければなりません。

自店の強み・弱みは何かを分析するのです。

ここで重要なことは、競合調査と同じ視点で自店を客観的にみることです。

この『自店の他社よりも強みになる部分』を『商圏内のお客様のニーズに向けて戦略をうつ』ことを私は『差別化戦略』であると思っています。

この3つの視点をマーケティングでは3C分析と呼んでいます。

3.競合調査で調査すべきことは4つの視点

競合調査で調査すべき視点は4つの視点です。

それは『商品』『価格』『販路』『販促』の視点です。

これをマーケティングの4Pと言われています。

それに加えて店舗型は『立地』が加わります。

この5つの視点のどこで差別化するかを決めるのです。

1つで差別化する場合もあれば、2つでする場合もあります。

ここで重要なことは競合を調査する場合には、商圏内の最低3社以上を調査して頂くことをお勧めしておりますが、その前段階の準備です。

一般的にはチェック表で調べるという話になりますが、現場での調査はそのようにはいきません。そこで重要なことは、事前に『商圏のターゲットとお客様のニーズから自店の強み・弱み』を抽出し、事前に『この部分で差別化できるのではないか?』と仮説を立てて、調査をすることです。

そうしなければ、非常に浅い『競合調査』となってしまい、競合の強み・弱みを把握することができません。あくまでも調査は裏付けをとるということが目的となります。

4.まとめ

今回は、差別化戦略についてお話を致しましたが、非常に重要な戦略であり、実はあまりこの視点を意識してマーケティング戦略を立てている企業様にお会いするケースは少ない状況です。フランチャイズ本部も成長を行うにはこの『差別化戦略』が非常に重要であります。

これから起業される方は一番大事な戦略となります。

是非、この年始の機会に再度、『商圏調査』『競合調査』『自店分析』を通して『差別化戦略』を検討されることをお勧め致します。

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閉店するマクドナルド!!閉店店舗の行方はどうなるのか?

閉店するマクドナルド!!閉店店舗の行方はどうなるのか?

商圏調査分析・立地調査・エリアマーケティング・FC本部構築展開・社員研修・店長研修・講演講師:マクドナルド

1.日本マクドナルドの閉店が物語るもの

2015年の大きなニュースとして日本マクドナルドホールディングスの不採算店舗の閉店及び米マクドナルド本社の保有する株式の売却等多数報道されている。

実際に店舗に『マクドナルドの閉店ポスター』を見て、『不便さ』や『寂しさ』を感じる人も多いのではないでしょうか?

2015年12月期の連結決算は380億円の純損失と、2年連続の赤字となる見通しであり、回復の兆しはまだ見えないのが実情です。

更に米マクドナルド本社が保有株式のうちの約33%である1,000億円程度を売却する計画が上がっているが、現在の経営環境では買い手を見つけることも困難とのこと。

今後のマクドナルドの動きに注目されている方も多いと思いますが、今回はその閉店店舗の行方について考察したいと思います。

2.日本マクドナルドの閉店はなぜ起きたのか?

日本マクドナルドの不採算店を年内100店舗目途に閉店を行う。そういったニュースが多数報道されています。

閉店する店舗では、駅前の一番立地にある店舗も多数含まれており、『あんな人通りの多いところにあるところが閉店するの?』と思われる方も多いと思いますが、大きな要素は『家賃』が『売上』に合わないというのが実情でないかと思います。

つまり『不採算店舗』=『利益が取れない店舗』ということになります。

『閉店する店舗』を見ると、10年以上の店舗が多く含まれており、中には30年以上の店舗もあるのが実情です。つまり、それまでは、採算が取れていたが、ここ数年の間に採算が取れなくなってきたということが考えられます。また、家主との賃貸契約期間の考慮にいれていると考えられます。つまり、閉店コストも充分に視野に入れていることになります。

閉店理由としては、ここ数年の間に『家賃』が大きく増加したということは考えにくいため、『売上』が下がってきているという象徴的な表れとなります。

私は、報道では、『使用期限切れ鶏肉問題と異物混入問題の発覚で、消費者からの信頼を失っている』とされる記事も多数がありますが、実際は、『引き金』であり、以前からイエローサインが出ていると思っております。

つまり、商品を含めたマーケティング戦略が『時代の変化』と合わなくなってきていることが大きな要因と考えております。

実際に、閉店するフランチャイズチェーンを含め、大手チェーンは多数あります。

勢いが衰えないコンビニエンスチェーンでも年間で多くの閉店を行っております。

しかし、そのほとんどは、スクラップ&ビルドと呼ばれる閉店をした後に、商圏を引き継ぐ新店舗を展開させるという方式をとっているのが現状です。

そういった場合は、閉店する店舗が、『時代の変化で歩行者や車の量が変わり、導線が変わってきた場合』や『駐車場の広さ』が合わなくなってきた場合等『立地面』での問題を改善する場合に行われます。

しかし、今回のマクドナルドについては、商圏は別の店舗が引き継ぐ形を主としており、俗に言う『単純閉店』というものになるため、立地ではなく、商品・価格・サービス・販路・販促といったマーケティング戦略の課題が浮き彫りになっており、将来見込めない店舗として閉店しているものと考えます。

つまり日本マクドナルド本体として、『時代の変化』に対応したマーケティング戦略を模索している段階であり、直近で売上を改善することが困難であるとの判定の結果であると思います。

3.マクドナルド跡地をめぐる他社の戦略

そうなると、『立地面』での問題はないわけですから、他の業態や飲食業界、競合するファーストフードチェーンからするとこの『一番立地』は非常に魅力的なものとなります。

特に都心では『一番立地』はほぼ空いていないという状況の中ですので、家賃が高くても出店したいというのが、実情であると思います。

以前のコラムでお客様が店舗を認識する理由について、店舗+看板で約60%というデータを紹介しましたが、つまり一番立地にあることでチェーンの広告効果も望めるということになります。

例え、その場所の家賃が高く、利益が出なくても他店の利益でカバー出来るのであれば、出店する方が、広告効果、イメージ効果も鑑みるとプラスに発展すると考えるということです。

日本マクドナルドは、長く『若者』に人気で、『キッズマーケティング』により家族連れも多く来店されていました。近年では、パソコン用の電源施設も充実し、中心部での『喫茶店』としての使われ方もありました。

そういった客層を取り込みたいチェーンにとっては、非常に好都合の立地であり、しかも一番立地。明確な出店調査と商圏調査を踏まえた立地選定を行った店舗は、今後も各社の跡地を巡った戦いが激化することが予測されます。

  • マクドナルド店舗 ⇒ファーストフードチェーン

現店舗をそのまま居抜き物件として活用ができ、内装費等は低コストで出店できるということでファーストフードチェーンも多数候補して上がっている。

既にファーストキッチンやバーガーキングやカフェチェーン等が狙っているというニュースも報道されております。

マクドナルド本体としては、シェア争いの中で本意ではないでしょうが、閉店時には、現状回復をしなければならない契約が多く、閉店コストを考えるとお互いメリットのある話になるでしょう。

  • マクドナルド店舗 ⇒飲食チェーン

また、飲食チェーンも多数出店してくるものと考えられます。

防水設備やダクト、空調設備などの工事コストがかからない点は、飲食チェーンにも非常に好都合のようです。その点で大手飲食チェーンも出店が多数出店予想されます。

特に近年大手の居抜き物件を出店対象としている飲食チェーンもある状況です。

  • マクドナルド店舗 ⇒ 小売業

大手のドラックストア等も出店候補として挙がっているようです。

小売業は非常に立地特性が高いため、『一番立地』の路面店というのは、非常に魅的な存在。

また、客層が『若者』や『家族連れ』に指示されている立地は更に親和性が高いものと考えます。

100店以上の閉店店舗の跡地を巡って様々な業種及び業態の競争が激しくなり、更に短期間での跡地交渉になることを考えると、一部の業種やチェーンだけが跡地に進出するのではなく、様々な業種が進出することになることが予測されます。

しかし、一番立地という家賃を考えると小零細企業の出店は考えにくく、チェーン組織が出店を行うことが予測されます。

5.まとめ

今回は、日本マクドナルドの閉店店舗の行方を考察する切り口でお話を致しましたが、いかに『時代の変化への対応』が重要であるかと考えさせるニュースでした。

これからもどれだけの大手チェーンであっても『時代の変化』に対応できなければ、撤退する時代であることの証明のようです。

『人口減少』『少子高齢化』『競争激化』『消費飽和』等企業側として多数2016年も課題としては山積みではありますが、『時代の変化』に併せたマーケティング戦略を立案する。

ここが、フランチャイズチェーン本部も加盟店も、そして起業を志している方も重要であると思います。

『時代の変化』は『ビックデータ』を活用するだけでなく、『消費者目線・消費者心理』が欠かせないものです。2016年の年頭に当たり、再度『時代の変化』を検証し、自社の『マーケティング戦略』に変革を起こす必要があると考えます。

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消費飽和時代に売るための3つの法則!!

消費飽和時代に売るための3つの法則!!

商圏調査分析・立地調査・エリアマーケティング・FC本部構築展開・社員研修・店長研修・講演講師:ルール

1.商品が売れない理由は何だろう?

前回までのコラムでは商圏調査や導線調査、商圏バリア等の方法をお話してきました。

商圏調査を行う理由は『立地判断』だけでなく、『お客様を知り、自店のマーケティング戦略』を立案することが目的となります。

しかし、商圏を知り、お客様を知っただけでは戦略を立案することが出来ません。

『競合を知り』、『自店を知る』必要があります。

それは何故か?実は『商品が売れない時代』と関係があります。

なぜ商品が売れなくなったのか?その理由は大きく言うと3つあると考えております。

①消費飽和時代

『消費飽和時代』と言われ、『需要と供給のバランス』が崩れ、『供給過多』となり、お客様が消費を起こさない。つまり『欲しいものがなくなってきている時代』になってきているということです。

②競争の激化

更に類似競合も多く、広告もどこでも出す時代。『競争激化』している状況です。

ここ最近では『広告効果』が非常に薄れてきていると言われています。

同じような業種がたくさんあり、お客様もどこを選んでいいのかわからない時代です。

③詐欺事件や粗悪品の横行

ネットが普及するにつれて、詐欺事件や粗悪品が横行しているというのも事実です。以前は人と人が面と向かって商売を行っていましたが、商品も写真だけで決済する時代となり、同時に不信感も溢れています。

調べものはネットで調べればいい時代にもなってきましたが、逆に情報があふれ、どれが真実かわからない時代にもなってきています。

つまり、お客様が売り手側を基本信用していない時代となっているのです。

そんな時代ですから、『ただ商品を出しました』であれば、お客様に気づいてももらえませんし、何がいいのかもわからない。信頼おけるところなのか?という疑いをもっているというのが実情であると思います。

しかし、売上を伸ばしている企業やお店はたくさんあるのも事実です。

お客様が全く商品を購入しなくなったということもありません。

つまり、『消費飽和時代』でも売るための戦略があるのです。

この時代背景を考えると現在のマーケティング戦略には次の3つのポイントが入らないと戦略として機能しないと思っております。

①気づきを与える

お客様は『欲しい商品がない』のではなく、『自分が欲しい商品がわからない』と思っています。

『どの商品が自分の悩みや欲望を満たす商品』なのかがわからない

ということは、『この商品がお客様の悩みや欲望を満たす商品ですよ』と教えてあげないといけないということです。

更に、それがネットという膨大な情報の中で御社の商品に気づいてもらわないといけない時代。競合も溢れた中で御社の商品に気づいてもらわないといけない時代。

そういう時代では、パッと『私のことだ』と気づいてもらわないといけないのです。

そこで最近良く言われるのが『キャッチフレーズ』になります。

しかし、『キャッチフレーズ』は『皆さん』と呼び掛けても、お客様は気づいてくれません。

『あなた』と呼びかけないと気づいてもらえないのです。

つまり、『お客様の絞り込み』が必要になります。お客様の絞り込みは、『年齢や性別等』での絞り込みをする場合もあれば、『ニーズ』で絞り込む場合もあるでしょうし、『利用シーン』等で絞り込む場合もあると思います。

ここで活用するのが実は、『商圏調査』で調査を行ったデータとなります。

自店の商圏の特性を知り、どのお客様に絞り込みを与えるのかを徹底的に絞り込みを行う必要があります。

②差別化する

消費飽和時代に売るための2つのポイントは『差別化』であると思います。

『競争激化』し、ニーズはお客様にあっても、どの商品が良いのかお客様がわからないという状態になっているからです。

そのためには、お客様に購入するための『判断基準』を与える必要があると思います。

ということは当然、比較検討するものがあるわけですから、競合を知り、自店の強み・弱みを分析していないと差別化戦略は取れないということなります。

そこで重要となるのが、『競合調査』と『自社分析』となるのです。

『ポータルサイト』や『比較サイト』が増えているのは、お客様の判断基準を促す大きな手段となっているからであると思います。

しかし、『差別化』という『全く違うことをしないといけない』と誤解が多いのが現状であると思います。

私は、『差別化』とは、『絞り込んだお客様』が購入する際の『判断基準』を与え、『他社よりも優位』であることを伝えることであると思っております。

③ブランディング

3つ目はブランディングです。これは、お客様が信用していない時代だからこそ、ブランディングが必要であると思っております。よく、ロゴマークとか、パッケージを変えることがブランディングであるとかいう話がありますが、全く違うと思っています。

ブランディングされた状態は、〇〇と言えば〇〇(御社の商品)という状態です。

それが広く伝われば伝わる程、お客様は信頼して、購入してくれるというものです。

ブランディングを実現するためには、『絞り込んだ顧客』のニーズに『差別化』が実現できている状態が前提にあります。

そして、その評価を『他者が行うこと』であると思っております。

信頼できる芸能人が『〇〇は美味しい』と言えば、それを信用して大きく商品を購入する人が増えます。皆様のご存じのことと思います。つまり『他者評価』なのです。

『口コミ』が効果的と言われるのも『他者』の『評価』で成り立っているのです。

3.まとめ

今回は、『消費飽和時代』に商品を売る為に必要な3つのポイントをお話しました。

今後のコラムで詳細を1つずつお話していきたいと思いますが、3つのポイントをもとにした戦略を立てるためには、『お客様を知る』=商圏調査、『競合を知る』=競合調査、『自社を知る』=自店分析が重要となります。

フランチャイズチェーン本部を構築する際には、このマーケティング分析を徹底しますし、個人起業家は、起業を行う前までに検討すべき課題であると思っております。

厳しい時代ではありますが、この3つのポイントを押さえた戦略は来年も続くと考えます。また、これを実行すれば、まだまだ売上を伸ばせる余地があることも実体験を踏まえて理解しております。是非、年末・年始に一度そういった視点で検討してはいかがでしょうか?

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売上アップに必要な立地調査の最重要は『導線調査』

売上アップに必要な立地調査の最重要は『導線調査』

商圏調査

1.導線って何?

前回のコラムで、『商圏の特定の方法』についてお話をさせて頂きました。

今回は、商圏調査の手法の一つとして私は最重要と考える『導線調査』についてお話をしていきたいと思います。

『導線調査』とは『お客様が目的を達成するためにどのようなルートを使っているか』調査をすることです。

例えば、スーパーを出店したいとします。

お客様となり得る可能性がある方が、通勤で駅を活用しており、そのお客様の帰りに立ち寄ってもらいたいとします。

そうするとそのお客様がどのルートを使って自宅まで帰宅しているかを知り、そのルートに出店をすれば、立ち寄って頂ける可能性が高いという考え方です。

そのルートを知ることが簡単に言うと『導線調査』となります。

『導線調査』は非常に奥が深く、商圏調査で実は人口を調べたりすることより、一番重要なことであると私は思っています。当然、パソコンでデータをにらめっこしていてもこれはわかりません。あくまでも現場調査が重要となります。

今回は『導線調査がなぜ重要なのか?』ということと『交通発生源』についてお話をしたいと思います。

2.導線調査が一番重要と考える理由

導線調査は、非常に時間がかかり、コツや経験が必要になります。

しかし、一番重要な理由は次のデータを見て頂くと良くご理解頂けると思います。

外食先の情報源(複数回答可) n=5,000

日本政策金融公庫 外食に関する消費者意識と飲食店の実態調査2013年12月18日(n=5,000)

商圏調査・出店調査・エリアマーケティング:日本政策金融公庫データ

お店の前を通りかかって38.8%、看板表示を見て21.5%を足すとお店と看板の存在で60.3%

となっており、いかに立地と店舗の視認性が大事かわかると思います。

逆に言うと、どれだけ販促をうっても、立地が悪ければ効果は少ないということです。

更に考えると以下のことがわかると思います。

『お店の前を通りかかって』ということは『お店の前の道を通って』ということですから、お店の前をお客様が徒歩や車等で通らなければ、気づかれないということです。

つまり一番大事なことは、導線ということになります。

また、看板・表示も導線を考えた看板を設置しなければ意味がないということです。

これを経費に置き換えると更にわかると思いますが、上記の要因の中で一番コストがかかるのが家賃であり、立地が大事ということになります。またやり直しが効かないのも立地であるため、いかに重要かがご理解して頂けると思います。

そのためフランチャイズ本部チェーンでは導線調査を一番重要視しており、本部開発スタッフが充分に現地で調査を行うチェーンが多いのです。

しかし、個人起業であれば、充分に自分自身が確認する必要があります。

結論としては『導線調査』こそ、売上の約60%を決めるということになります。

これは商圏調査ソフトでは全くわかりません。商圏調査はあくまでも人口を表現するだけのものであり、現場調査が肝となる理由です。

3.交通発生源とは何か?

導線調査の重要性はご理解頂いたと思いますが、次は、実際にどのように調査するかということになります。そこで必要になる考え方が『交通発生源』という考え方です。

全ての人間の行動では、出発点と目的点があります。

先述のスーパーの事例では、出発点は駅であり、目的点は自宅ということになります。

その交通が発生する源が『交通発生源』というものです。

この『交通発生源』を特定することが『導線調査』で一番重要なこととなります。

交通発生源は自店が出店したいと考える物件に影響を与えるものです。

次の事例のものが交通発生源となりえるものです。

  • 住宅街
  • 大型商業施設や百貨店
  • 大型レジャー施設等
  • 交差点
  • オフィス街  等

つまり、そこには人がいて、人が何かの目的で行動する起点であり、目的点となり得るものです。その流れを調査することが導線調査というものになります。

この点点を結び付けて、どこの導線がよく利用されているのか?を調べるのです。

その導線が多いほど、主導線になりますし、主導線以外でも活用される、副導線があります。

当然立地は主導線の方が良いですが、家賃の問題も出てくるのが実情です。

逆に利益の点で副導線を選ぶことも戦略として成り立ちます。

4.まとめ

今回は、導線調査についてお話を致しました。フランチャイズチェーンに加盟される方は、本部がその重要性を非常に認識しているチェーンが多いため、あまり心配することがありませんが、個人起業家の方は、立地や導線を非常に軽んじておられる傾向が非常に強いと感じます。

現在相談に来られる方の多くが、商品や販促の相談は多いですが、立地という視点がありません。結果として閉店が後を絶えない原因となっており、これから起業される方は是非、充分に時間をかけて調査をされることを期待します。

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店舗の売上アップの秘訣は、商圏を見直すことにあった

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商圏調査・出店調査・エリアマーケティング・FC本部構築展開・社員研修・店長研修・講演講師:地図

1.商圏範囲って何?

前回のコラムで、『商圏を知り』対応を行う『エリアマーケティング』を行うことでまだまだ売上を伸ばす余地があることをお話致しました。

今回のコラムでは商圏範囲の特定の仕方をお話していきたいと思います。

店舗型で独立・起業をお考えの方は、店舗の商圏を調べて物件選定を行いますが、フランチャイズで起業をされる方は、本部が調査をしてくれる場合も多数あります。

フランチャイズで起業される方は、本部にそのノウハウがあるため(ないところもありますが・・・)その情報をもとに、出店位置や物件を決めていけば良いと思います。

しかし、自分のオリジナル店舗で起業される方は、自分自身で調査し、分析し、戦略を考えないといけません。その初期段階としてまず、『わからない』と言われるのが、『自店の商圏範囲はどれくらいにすればいいですか?』という質問です。

商圏範囲とは店舗を中心に通常丸い円で、半径〇kmが第一商圏、〇kmが第2商圏として、それぞれの人口や世帯数等を調べて算出します。

そこに充分なマーケットボリュームがあれば出店を検討するといった形です。

業種毎の商圏範囲の目安はここでは書きませんが、ネット等を調べると大方見えてくると思います。

しかし、一つの目安とはなりますが、実は現場の実際のオープンした数値結果はそれだけではいかないのです。

2.商圏には、商圏バリアが存在する

実際にオープン後に、お客様の住所を集めればわかることですが、来店されるお客様は、開業前に想定を行った丸い円とは異なった、いびつな形になります。

これはどのお店でも実際にやってみるとわかると思います。

それは何故かというと実は、満遍なく自店を中心にして円形で来店されると思っていても、お客様が来店しにくい環境が存在するからです。

それを『商圏バリア』と呼んでいます。

商圏バリアの代表例は、例えば『山』です。

山の自店と反対側に住宅があり、それが半径〇km以内の円の中に入っています。通常であれば、そこの人口も計算するのが普通だと思いますが、皆さん本当に、来店される可能性は高いと思いますか?

山を越えて自店に来店する。自店と逆の山を越えた住宅のある方向に競合店がなければ、その可能性もありますが、同じようなコンセプトのお店であれば、来店されるということは、『差別化』されていない限り、厳しくなります。

つまり、山向こうの人口をあてに出来るかというとそうでないということです。

つまり円だけで、商圏を特定すると危険ということになります。

全くそういう障害がない立地が仮にあるとすれば、(私は見たことがありませんが・・・)

別ですが、皆無に等しいです。

そうすると、地図上だけで、人口を図っても一つの指標にしかならず、実際には、現場を周り、見聞きした情報がないと、商圏を特定することが出来ないということです。

商圏バリアになりやすいものはそれ以外にもあります。

《商圏バリアとなるもの》

・山

・大きな川

・線路

・中央分離帯有2車線道路

・大きな学校や工場・施設公園等

そういった施設を確認し、商圏バリアとなっているのかを確認しなければ商圏の特定は出来ません。

  • 商圏バリアはバリアにならない場合もある

商圏バリアを勘案して、実際の商圏を特定したものを『実勢商圏』と呼びます。

その『実勢商圏』をもとに人口調査等を行わなければ、正確な人口はわからないということをお話しましたが、それだけお話した商圏バリアも実は『バリア』にならない場合もあります。

この話を聞くと、『さっきの話はなんだったのだ』と思われると思いますが、実際には多数存在します。

例えば、先ほどの山向こうの住宅に適切なスーパーがない場合、当然、お客様は山を越えて来店されるでしょう。また線路とあっても、普段の生活導線で誰も抵抗なく、わたっている線路であれば、障害的な要素は少ないと思います。

このバリアは商圏バリアなのか、バリア的な要素は少ないのかは、正直、ケースバイケースのため、一概には言えませんが、見極めるコツはたった一つで、そこに住んでいるお客様の目線で考えるということだと思います。

この目線が非常に大事で、実際にその商圏バリアをじっと見て、お客様の動きや導線を分析する。また、そこに住んでいる方に聞いてみるといった行為が伴えば、誰でも見極めることができると思っております。

また商圏バリアを超えることが出来る条件は、あなたのお店をいかに『専門店』に出来るかがポイントになると思います。それだけ他店との『差別化』する。

そうすれば、お客様はあなたのお店に行く動機が出来ますので、多少の障害でも乗り越えるでしょう。

  • 3.まとめ

本日は、商圏の特定の仕方で一番注意して頂きたい、『実勢商圏』についてお話をさせて頂きました。これから出店される方は、自分の出店したいお店の商圏はしっかり特定し、現地に必ず足を運び確認しましょう。いろんなことが見えてきます。

私も商圏調査をコンサルティングで実施していますが、現地を確認しなければ、正直、ほとんどちゃんとしたアドバイスは出来ません。それだけ現地確認ということが重要なのです。多額の経費をかける出店。オリジナル起業もフランチャイズ起業も自分でしっかり商圏を確認し、特定した上で、起業をされることをお勧め致します。

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店舗型ビジネスで売上改善する際に最低限知っておきたい方程式

店舗型ビジネスで売上改善する際に最低限知っておきたい方程式

商圏調査分析・立地調査・エリアマーケティング・FC本部構築展開・社員研修・店長研修・講演講師:方程式

1.店舗型ビジネスの売上改善の原則

今回は、店舗型ビジネスでフランチャイズ開業をされる方以外でも、店舗型ビジネスで売上を上げるために必要な原則についてお話をしたいと思います。

特に開業を考えておられる方には、私は重要な考え方のポイントとなると思います。

是非、メモにとって頂き、いつでもこの方程式をもとに、どこに問題があるのかを考えて頂きたいと思います。

2.売上を上げる要素の方程式

1番目は売上を上げる要素の方程式になります。

☆☆☆過去の売上改善の仕組み☆☆☆

店舗の売上=店舗数 × 〔 商品改善+立地改善+サービス改善+販促改善 〕

店舗の売上を改善するには、商品をお客様にニーズに合うように改善を図るか、立地をお客様が来店しやすい環境を作るために改善をするか、感じの良い接客や販売力をあげるように改善するか、お客様への販促活動を改善するかが主流となっておりました。

全てが足し算となっており、店舗数(1)×〔商品(1)+立地(1)+サービス(1)+販促(1)〕=4 の売上が経つ時代であり、商品に特化して売上を伸ばしても、サービスに特化して売上を伸ばしても、売上は改善する時代でした。

しかし、現在は類似競合が多数商圏に出店している時代であり、競争が激化しており、その公式が変化しているのです。

☆☆☆現在の売上改善の仕組み☆☆☆

店舗の売上=店舗数×〔 商品改善×立地改善×サービス改善×販促改善 〕

全てが掛け算の時代、店舗数(1)×〔商品(1)×立地(0)×サービス(1)×販促(1)〕=0 になってしまう時代。何かが大きくマイナス要件を抱えると他ではカバーできない時代となっており、総合的に改善を図らなければ売上の成果に繋がってこない時代となっていると感じます。

つまり、総合力が問われる時代とも言えると思います。

3.最低限知っておきたい売上方程式

2つ目の最低限知って頂きたいことは、店舗の売上の方程式です。これは多くの方が知っていると思いますが、念のために共有しておきたいと思います。

店舗の売上 = 客数×客単価(1点当たりの単価×買い上げ点数)

という方程式が成り立ちます。店舗の売上を上げるためには、客数を上げるか?客単価を上げるか?その両方を上げるか?という視点です。

客単価は1つの商品の単価を上げるか?2つ3つと関連して購入してもらうか?ということになります。

飲食店で言うと、次の方程式も良く言われております。

飲食店の売上= 席数×回転率×単価

内容は、上記と同じなのですが、席数という縛りがあるため、限られた席数の回転数が客数を上げるということです。従って、売上を上げるためには、客数を上げる施策と客単価を上げる施策と2つがいるということになります。

また、回転率を上げる施策も必要ですが、席数を増やすという選択肢も出てくると思います。

客数と言っても更に分解をすると次の方程式も成り立つと思います。

客数= 新規客数 + リピート客数

つまり、新しいお客様を取り込むのか?2回目、3回目のお客様のお客様を増やすのか?ということです。リピート客数を上げるには、自然失客率を下げるか?来店頻度を上げるか?

のどちらかとなります。

自然失客率とは、一度来店をしていたお客様が、2回目、3回目とどんどん減っていく率を言います。要因は、店舗に起因する要因もありますが、お客様が自然にそのお店のことを忘れていってしまうということもあります。この失客率を下げることも客数を維持する上では必要な施策となります。

来店頻度を増やすとは、フランス料理店に行くことが1年に1回であれば、それを半年に1回に出来ないかと考えることです。限られた商圏の中で、お客様に何回も来店頂き、客数を増やすという施策になります。チェーン店等が行っている『日替わりランチ』もその事例と言えます。出来るだけ来店を増やすために、飽きがこないように週間で毎日メニューを変える。それによって同じお客様に何度も来店して頂く環境をつくるというものです。

4.マグネット商品と本商品との方程式

3つ目は、お客様を誘引する施策として考え方が必要な方程式です。

お客様を誘引するには、次の流れで誘引します。

マグネット商品 ⇒ 本商品 ⇒ アフター商品

マグネット商品とは、お客様に来店して頂く動機をつくる商品です。よくドラックストアが特売等で一部の商品の価格を大幅に下げていますが、これはお客様に来店を促す販促商品として位置付けています。

その後来店されたら、本商品である薬品を販売するという図式になります。本商品を販売した後は、更に客単価を上げるためのアフター商品を販売するという図式です。

よく飲食店でレジカウンターに商品のお持ち帰り商品を物販で販売しているケースがあると思います。それは、お店の商品の味を知って頂き、気に入って頂いたお客様には、ご自宅やお土産として、物販商品を購入してもらい、客単価を上げる施策ということになります。

5.まとめ

今回は、3つの方程式についてお話を致しました。この方程式は、コンサルティングの現場でもまず、どこに売上が上がらない問題があるのかを把握するために、使っているものでもあります。それ以外にも方程式はありますが、店舗型ビジネスで開業や経営をされる上では最低限知って頂きたいと思っております。

この方程式をもとに、実際に原因を追究し、改善策を立案するには、実は店舗の商圏分析や競合分析、自社分析をしなければ、立案をすることは出来ません。今後のコラムの中でお話をしていきたいと思います。

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躍進するコンビニエンスストアチェーンは教育訓練も違う

躍進するコンビニエンスストアチェーンは教育訓練も違う

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1.フランチャイズの教育訓練の重要性

フランチャイズの前提条件は、これまでのコラムでも書いておりますが、『間接ビジネス』ということです。

フランチャイズ本部は、成功確立の高い『ビジネスモデル』『商品』『サービス』をもっており、そのモデルを活用して、商売を行うのが『加盟店』となります。(残念ながら、そうでない本部が多数あることも事実です)

『間接ビジネス』ということは、本部が既存店の売上改善を図ろうとすれば、『加盟店』を通じて売上改善を図らなければなりません。そこで必要なものが加盟店の『教育訓練』と本部社員のSVの『教育訓練』となります。

片方だけ実施していても意味がありませんし、単発で実施しても意味がありません。
『両輪』で『継続』して実施し続ける仕組みが本部としては必要となります。

成長を続けるコンビニエンスストアチェーンは小売業という括りになりますが、実際は教育業であり、本部のSVは経営コンサルタント業となります。

では、コンビニエンスストアチェーン本部ではどのような教育訓練を実施しているのでしょうか?

2.加盟店向けの教育訓練

①加盟時初期教育 加盟店時には、ほとんどの本部で初期教育が実施されます。

加盟された商売では素人の加盟店のオーナーでも出来るように座学知識だけでなく、実際のオペレーション業務を店舗でも実践するトレーニングを行っております。また、店舗経営で重要な従業員教育の実施方法まで学ぶことが出来ます。

②SVによる継続した定期教育

初期教育はあくまでも、初期段階の知識と実務を学ぶ場であり、知識を経験に変える必要があります。そこでSVの定期訪問による加盟店教育は、開店までの準備段階から、実際の店舗運営時も含めて加盟された契約期間継続して実施されます。

③各種勉強会

あるコンビニエンスストアチェーンでは、加盟店が集まる定期勉強会も開催しております。ここでは本部マーケティング戦略の伝達だけでなく、新しい商品の紹介、具体的な販売を上げる手法。また他の加盟店オーナー様の成功事例の共有も含めて実施されます。

④商品展示会

大手コンビニエンスストアチェーンは商品展示会も定期的に開催をしております。
商品展示会は、各種勉強会を更に大きくしたイメージで実際の、今後発売予定の商品の確認や売場政策だけでなく、本部のマーケティング戦略及びその背景を含めて教育を受けることが出来ます。

⑤接客教育

従業員さんの接客技術を上げるための接客教育を本部が実施しているチェーンもあります。挨拶や接客の基本動作の教育だけでなく、お勧め販売の仕方等も販売技術向上の教育も実施しているのです。

コンビニエンスストアチェーン本部の加盟店教育は、種類も豊富であり、単発ではなく継続的に実施されています。その結果が、コンビニエンスストアチェーンの『徹底度』の改善に繋がり、お客様に『安心感』を与えることが出来ているのです。

これは、通常の店舗の経営指導員だけでなく、本部の教育スタッフも取り組み、全社として教育を行う姿勢と仕組みがあると言えます。

3.本部社員の教育訓練

加盟店のオーナーの教育を行うSVについても教育体制が整っているのが、コンビニエンスストアチェーンの特徴と言えると思います。コンビニエンスストアチェーン最大手の事例を元にお話を致します。

①入社時教育

入社時教育は、加盟店オーナー様の初期教育を受けるものと同じ内容で教育を受けます。ここでは、コンビニエンスストアのオペレーション業務だけでなく、店舗運営教育も受けます。

②直営店舗勤務

実際にオーナー夫妻と同じ条件で、店長や副店長として勤務を実施し、リアルな場で店舗経営を学ぶだけでなく、売上・利益を改善ができるSVになるための教育を受けます。また各種店長研修や副店長研修等が開催され、地区全体での営業会議や直営店だけの会議等場も教育として活用されております。

③スーパーバイザー初期教育

直営店勤務を一定の基準をクリアした店長はスーパーバイザーとなるための教育を受けます。ここでは実際のSVになるためのFCの知識や加盟店を担当しているSVの仕事の仕方から実際のスーパーバイザーとしての業務を学びます。

④スーパーバイザー定期教育

スーパーバイザーの定期教育は、会議の場を活用され、実施されております。全社員を集めての会議や地区毎の会議の中で、現在の自社のマーケティング戦略や方針の理解だけでなく、商品知識、他店舗での成功事例の共有等を受け、その内容を担当する加盟店にどのように活用していくかをスーパーバイザーが検討し、加盟店教育につなげているのです。

4.まとめ

ここに挙げた教育以外でも多数の教育を加盟店及び本部社員共にコンビニエンスストアチェーン本部では実施しており、戦略の徹底とレベルアップを図っているのです。

フランチャイズビジネスを実施している本部は教育ビジネスです。
加盟店と社員の教育を徹底しているからこそ、『時代の変化』へ素早く対応し、徹底することで『ブランド化』し、成果を上げることができる。躍進するコンビニエンスストアチェーン本部は教育が違います。

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