店舗展開の出店エリアの範囲は近づけた方が良いのか?
フランチャイズ本部構築・立ち上げを検討される際、多店舗展開を検討する際の出店エリアについてお話をしていきたいと思います。
1.多店舗展開の出店エリアの問題とは?
フランチャイズ本部構築や立ち上げ、多店舗展開を行う上で、多くの方が悩まれるのが、店舗の出店戦略をどうするかという視点です。
当然、出店戦略を検討するには、既存店舗の商圏や立地導線等の成功要因を把握しておくことが前提ですが、それが把握できると出店戦略を組むことができるようになります。
その次に悩まれるが、既存店との店舗間の距離を近づけた方が良いのか?話した方が良いのか?という視点です。当然、出店戦略上では、場所は決まっておりませんので、エリア選定となりますが、エリアを大きく話した方が良いのではないかというご相談があります。
これは正直、業態や扱っている商品内容によって変わりますので、一概に商圏範囲が変わりますので一概に言えませんが、商圏範囲の大小あれ、範囲事態は近づけた方が良いと思っております。
これは、現在言われているドミナント出店というものです。
コンビニのドミナント出店が取り上げられてますが、あくまでもあの距離での出店はコンビニの業種・業態だからこそ実現が可能であり、飲食店でも、サロン店でも、範囲が違います。
ドミナント出店の方法は同じであっても、距離は業種・業態によって全然変わるということになります。コンビニは半径500m圏内といわれている中と飲食店で半径2km(業態や商品による)とは大きく出店エリアは異なるということです。
その範囲の距離は違えども、私は、範囲は近づけた方が良いと考えております。
理由は、多店舗展開やフランチャイズ本部展開の出店の目的です。
多店舗展開やフランチャイズ本部展開の目的は、
新規商圏による新しいお客様の獲得と競合の駆逐又は排除
となります。店舗の商圏範囲間を話した場合は、新しいお客様の獲得ができても、競合に対してインパクトを与えることもできません。また、次のようなメリットも出てきません。
〇物流コストを削減することができる
店舗間が遠ければ遠いほど、物流コストは上がります。
〇人材の有効活用が難しくなる
シフトが空いたから〇店から〇店に人を配置する等ができなくなる
〇広告・宣伝効果が少なくなる
近いエリアに同じような看板がたくさんあれば、そのエリアでの認知は非常に向上します。
しかし、遠ければ遠い程、そのエリアにおいて、完全な個人店になってしまう傾向がある。
〇店舗の状況が把握しずらくなる
・店舗間が離れれば離れるほど、目が届きにくくなります。当然、お店を確認に行く頻度も減りますので、店舗の不正だけでなく、お客様へのサービス状況や商品やサービスのあばれなどが発生しやすくなります。
上記のような理由となります。
世の中には市場規模拡大の法則というものがあり、同じような店舗がちかくにあればあるほど、市場規模が上がらいます。よく駅前に店があればあるほど、その駅前は栄えるというものと同じです。それだけ、エリアが近いということは同看板であっても効果が高いといえます。
しかし、それだけ店舗を近づけた方が良いのに実は問題も起きております。
それは・・・・お互いに同じ店で食い合うという現象です。
これは・・・
明らかに商圏範囲がかぶること(=カニバリともいいます)から発生します。
ではそれは何から発生するかというと・・・
既存店の正確な商圏・立地導線の把握が不十分という原因がになります。
自分では半径2kmぐらい離れているから大丈夫だろうと思ったことが実は半径4kmが本当の商圏範囲だったということであれば、約半分の商圏範囲はかぶるということになります。
当然、商圏範囲がかぶっただけでは立地や導線の影響もあり、全てが影響を与えるとは言えませんが、既存店で全くダメージがないということはほとんどありません。
繰り返しますが重要なことは、既存店の商圏・立地導線における成功モデルを正確に把握することです。これが多店舗展開の出店戦略やエリアを検討する上の重要なポイントとなります。
これからフランチャイズ本部構築・立ち上げを検討されている皆様、多店舗展開を検討されている皆様の参考に頂ければ幸いです。
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