これからの中小企業のKPIは何か?

これからの中小企業のKPIは何か?

商圏調査分析・立地調査・エリアマーケティング・FC本部構築展開・社員研修・店長研修・講演講師:指標

1.これからの中小企業に考えて頂きたい経営指標

先日セミナーを開催した際に、『これからの中小企業においてのKPIは何がいいのか?』というご質問を頂きました。本日はこの点について、お話をしたいと思います。

そもそも『KPIとは何?』という方もいらっしゃると思いますので、その内容から説明をしたいと思います。

KPI=Key Performance Indicator の略称となります。

これでもわかりづらいと思いますので、簡単に説明を行うと『企業目標の達成度を評価するための主要業績評価指標』のことを言います。

目標の達成度を図る指標です。これは戦略や計画の達成度の指標となります。

例えば、客数を上げるという戦略があった場合には、新規客を〇人増やすや既存客の割合を〇%にする等がこのKPIとなります。

中小企業では、あまり考えない指標のようですが、実は非常に重要な指標となります。

企業の最終目標は、利益の改善ですが、利益を改善するためには、売上の改善や経費の改善があります。

では売上を改善するには、客数を改善する必要があるのか?客単価を改善する必要があるのか?という視点となりますが、『客単価を改善しよう』としても現場では何をしていいのかわかりません。

ですから、行為に関する達成目標を立てます。例えば、客単価を構成するものは、以前のコラムでもでも述べましたが、『買い上げ点数』と『1点当たりの単価』となると思いますので、『買い上げ点数』を今の3.2⇒3.5にしようというのがKPIと呼ばれる指標ということです。

KPIは具体的に現場で改善活動を行う上で、行為の達成目標指標と言うことです。

私は、コンサルティングの際には、必ずこのKPIを3つ設定しております。

なぜ3つかというと論理的な根拠はないのですが、現在マーケティング戦略支援を行っていると、当然打つ手の数が多ければ多いほど、数値改善には繋がりますが、現場での徹底度が下がるので、一番結果が出やすいという経験値が3つなのです。

2.中小企業の現在の経営環境から考える共通のKPIは何か?

これからの中小企業全般における、社会環境の変化を考えると次のようなKPIが必要になってくると思います。当然、現在までお話した商圏や業界によっては変化するものと思いますが、おおよその環境は当てはまっているものと思います。

1つ目は人口減少という環境を踏まえてのKPIです。

これは客数改善に起因する行為です。

それは『商圏シェア』又は『来店頻度』であると思っております。多店舗展開を積極的に行っているフランチャイズチェーン本部等は当然、商圏シェアとなると思います。独立起業を行ったばかりの個店は『来店頻度』になるのではないかと思います。

つまり、人口が減少するので、同じ人に何回も来店してもらわないといけないということです。それで要は『客数』を維持するということなのです。

この来店頻度は、食を扱う業界でも違うと思います。

例えば、日用品等を多数扱うコンビニやスーパー等は、週1回を2回に出来ないか?という視点になると思います。飲食業のフランス料理店なら1年に1回という来店頻度からもしれませんが、それを半年に1回に出来ないかと考えるのが、来店頻度の改善となります。

2つ目は、客単価の改善に起因するもので、『買い上げ点数』の改善です。

1点当たりの単価を改善する目標を業種によっては、掲げることもありますが、おおよその企業様は、値上げを実施していくということは付加価値を変えないと難しいと思いますので、『追加で何か購入してもらう』ということになると思います。

これは関連購入を増やすということで全業種に当てはまる戦略です。

例えば、パソコンを販売しているお店が追加でインターネット接続機器を販売するということです。次のコラムではこの客単価改善の方法について考え方をお話していきたいと思っております。

飲食業界でも同じです。通常メニューに追加して、『本日のお勧め』を従業員さんが『お勧め販売』をしたりすることもこの『買い上げ点数』を改善する行為となります。

人口が減るのであれば、単価を改善して、売上を維持、伸ばしていこうと考える戦略になります。

3つ目は、個々の企業様によっては変わることが多いですが、私は従業員の戦力化人数というのも重要な指標となると考えております。

2つ目の客単価の改善は、おおよそ販売をする営業マンや接客をする従業員さんの接客技術の改善がなければ達成することは出来ません。

例えば、当初は、お客様に『お勧め販売ができる』従業員さんは1人しかいなかったものが10人全員できるようにすると当然、客単価が上がります。つまり教育や人が動きやすい仕組みに対してKPIを設けるということです。

3.まとめ

今回は、このKPIという、ちょっと難しい用語についてお話をしましたが、売上や利益の達成目標はあっても行為の達成目標はない場合が多いと感じます。

現場で数値改善を行う際には、具体的な行為に達成指標がなければ、動きませんし、併せてその達成目標が売上・利益に直結し、一番改善効果の高いものが優先的に掲げなければ効果が薄いものとなります。これから起業される方も是非、このKPIを考えた上で、事業計画を検討していかれることをお勧め致します。

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