小売業界のフランチャイズ本部構築のポイントは?
フランチャイズ本部構築や立ち上げを検討している企業から次のような「小売業界のフランチャイズ本部構築のポイントは?」についてご質問がありましたので説明させて頂きます。
〇小売業界のフランチャイズ本部構築のポイント
小売業界は、フランチャイズ本部構築を行い、展開している企業が多数あります。今回は小売業に特に特有なフランチャイズ本部構築上のポイントを解説していきたいと思います。小売業のフランチャイズ本部構築では、次のポイントが重要となります。
①差別化された業態が必要であること
小売業のフランチャイズ本部構築では、差別化された業態を提供することが重要です。小売業はコンビニやアパレル、雑貨、100円ショップ、スーパー等が主にフランチャイズ本部として展開していますが、基本的には、大手が多く商品開発にはPB商品を導入し、差別化を図っています。そのためこれからフランチャイズ本部構築を実施する企業は業態として、差別化されていないと他の大手企業にフランチャイズ加盟としては、なかなか太刀打ちすることは難しいと存じます。近年小売業でのフランチャイズ本部構築が少ないのは、そのような理由ではないかと思います。
中小企業がPB商品を開発することはとても難しいことです。そのため、卸からの商品を仕入れを実施し、販売をしていくことから、商品ではなく、業態として差別化が必要です。例えば他と比較して安いであったり、業態のコンセプトそのものが違ったり、サービスと連動して販売されている等フランチャイズ本部としての業態の優秀性が非常に重要になるものと存じます。
②スケールメリットによる仕入低減がポイント
小売業のフランチャイズ本部構築では、経営ノウハウだけを提供する形はほぼありません。基本的には商品の仕入れと連動して行う必要性があります。特別な商品が仕入れられるのであれば問題ありませんが、そうでない場合は、業態が差別化されており、仕入れも店舗数拡大により原価低減を行うことができるスケールメリットをフランチャイズ加盟店にも享受して頂くことが重要です。
そのためには、ドミナント出店が基本的な出店方法となります。地域エリアが集中していないと物流費用だけで原価を上げてしまうことになってしまうため、スケールメリットが働きづらい環境になってしまいます。また、卸の集中化であったり、直接メーカーや生産者等から仕入れを実施することで原価の低減を図っていく必要がフランチャイズ本部にとっての重要な役目であると考えております。
商品の仕入れがばらつくということは、業態の統一性がバラバラということになるため、フランチャイズ本部が仕入れもコントロールする必要があり、その分原価低減の努力が必要いうことになります。
③投資を下げることができないか?検討する
小売業のフランチャイズ本部構築において、開業費用は比較的高額になります。これは内装費用や物件取得費が他の業態よりも広くなる傾向もありますが、これは業態によって異なると存じます。一番大きな費用は実は初期仕入の代金です。この初期仕入が高いためどうしても、中企業以上しかフランチャイズ加盟できないところがあります。
ここを改善し、飛躍したのがコンビニエンスストアです。コンビニは小面積で展開を実施するだけでなく、仕入費用をフランチャイズ本部からオープンアカウントシステムというシステムを用いて、自動融資をしています。利益から仕入代金の返済を実施し、返済が終了すれば、加盟店の利益にそのままなるシステムです。
オープンアカウントシステムは大手しか出来ないものでありますが、小規模で利益が出る仕組みが出来ないか?は検討する必要があると存じます。基本的は小売業はこの初期投資の高さが課題となり、一部の企業でしか導入できない結果となっています。
今回は、「小売業界のフランチャイズ本部構築のポイント」について解説をさせて頂きました。今後、フランチャイズ本部構築を行い立ち上げを検討している企業のご参考になれば幸いです。
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