フランチャイズ本部の成功事例共有時の留意点
フランチャイズ本部構築立ち上げ展開企業から「成功事例の共有」についてご相談があり、今回はこの点について解説をさせて頂きます。
〇フランチャイズ本部構築立ち上げ展開企業の成功事例の共有
フランチャイズ本部構築立ち上げ展開を行う際に重要なことを成功モデルをいかに正確に分析を実施し、共有し、それを現場に具現化し、成果を上げていくかということポイントがあります。
当然、フランチャイズ加盟店からすると、成功モデルや成功事例があるから、フランチャイズ本部に高いお金を払っているわけであり、これがないということであれば、特にブランド力等もないスタート段階のフランチャイズ本部には加盟する理由がありません。フランチャイズ本部構築立ち上げ展開企業については、特にスタート段階は、この成功させるためのノウハウの構築は非常に重要なポイントです。
しかし、そこで分析された成功モデルは、全般的にはこの方法で成功ができるというものですが、現場は個々であり、かつタイムリーに変化をするので、成功モデルだけでも不充分です。そのため、リアルタイムに成功事例を共有していく必要があります。成功モデルの分析の際もそうですが、成功事例は特にここに落とし穴があるのです。
〇成功している人は成功要因を理解していないことが多い
私は、様々な企業の企業の成功モデル分析や成功事例の分析を実施していますが、特に感じることは「成功者は成功している要因を正確に把握しないことが多い」ということです。これはセールスを考えて頂ければわかりますが、トップセールスマンのやり方をそのままマネしても、同じ結果が出ないという問題です。
これは2つ要因があります。
①環境が違う
成功要因が個人の場合は、個人の特性まで分析しないと環境が変わるだけで、そのまま適用できないことは沢山あります。例えば、トップセールスマンが「とても提案がうまいので、契約が高い」としても、実際に契約要因は、トップセールスマンの「立ち振る舞い」や「日頃の連絡の取り方」や「顧客の立場にたった姿勢」であったり、トップセールスマンの「性格や身なり」までに実際は至ることがあります。これは、この人だから契約したということもあるのです。
実際に実施する人が、上記まで全て網羅できれば、トップセールスマンの近づくことはできるでしょうが、人によって特性が変わる部分まで網羅できることはなかなか難しいものです。つまり環境(この事例の場合ですと人ですが)が変わればカスタマイズしないと使えないノウハウとなります。
②成功者が成功要因を正確に把握していない
人は、うまくいっている際には、深く要因を研究しないものです。また、うまくいっている要因は多くは複数ありますので、何が効果を上げているのかよくわからない点もあります。逆にうまくいかなかったものをうまくいかせた場合は、課題と対策が見えているわけで、その結果がわかるわけですので、成功要因として特定できるのです。
これはよくある話で、先ほどのトップセールスマンの事例で言えば、提案が成功要因であっとしても、実際にはトップセールスマンが当たり前だと思っている人間性や立ち振る舞い等は要因として抽出されないことになります。
そのため、提案に力を入れることで結果が出ないノウハウとなってしまいます。
重要なことは、第3者で正確に要因を分析できる人間が分析をしないと、実は成功モデルも成功事例もノウハウ化が出来ないということです。とても優秀な経営者が自分の経験を教えた、経営者がみんな成功できないのはここに実は落とし穴が隠されているです。
事業を成功させることと、成功要因を分析するノウハウは全く別のスキルですので留意が必要なのです。
今回は、フランチャイズ本部構築立ち上げ展開企業の「成功事例共有」の留意点について解説をしました。
フランチャイズ本部構築立ち上げ展開を検討している企業の参考になれば幸いです。
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