フランチャイズ加盟店からの契約変更の要望
フランチャイズ本部構築立ち上げ時によく発生する加盟希望者からの契約依頼の要望について、質問がありましたらので解説をしていきたいと思います。
〇加盟希望者からのフランチャイズ加盟基本契約の変更の依頼とは
フランチャイズ本部構築や立ち上げを実施していると特に初期段階に発生する問題として、フランチャイズ加盟基本契約書の変更依頼があります。特に法人との契約の場合には、そのような要望が発生していることが多いと感じます。
フランチャイズ加盟基本契約書は、フランチャイズ本部が自社のフランチャイズ本部の仕組みを構築し、このフランチャイズ本部に加盟する方々に実施して欲しい事項であったり、本部として実施する事項を反映したものですが、「ロイヤリティを下げてほしい」や「ここの〇〇はおかしいので変えてほしい」等があります。
特に加盟希望者が自社のリーガルチェックに掛けた場合は、当然、相手方の弁護士が確認しますので、
「この〇〇点は加盟店に不利なので変えるべきである等」
ということにになります。
店舗数や加盟店数が多い場合には、
「皆様、この契約で実施しておりますので・・・」
ということでお話ができるフランチャイズ本部が多いですが、初期段階であると
「これぐらい認めてもいいかな・・・」
と思われることがフランチャイズ本部が出てくることも多いように感じます。これは、
「早く、1店でも多くフランチャイズ加盟店を作っていきたい」
という思いからでもあると存じます。
しかし、これが後々、大きな問題になるリスクをはらむことがあるということになることもあります。
〇フランチャイズの基本は公平・平等であること
私が、弊社のクライアントにお話ししているのは、こういうと時、一番考えないといけないことは「公平・平等」であるかどうかという視点です。次の例を考えてみて欲しいと存じます。
A加盟店
「本部がこのような契約内容なので、このフランチャイズに加盟するには、この契約を守らないといけないという前提で加盟する。そのため、このまま加盟し、遵守する」
B加盟店
「契約といってもあくまでも個々なので、交渉をしよう。ロイヤリティももう少し下げるように交渉できるのでは?」
当然、B加盟店の方が、得をすることになります。それをもし、A加盟店が知ったらどうするでしょうか?
「契約時に交渉すればよかった・・・次の更新の際は交渉しよう」
このようになっていくことになります。そうすれば、フランチャイズ本部構築を実施した際の決め事は次々になくなっていくことになります。A加盟店は、本部の内容を素直に応じたために損をしたことになるのです。
私は、フランチャイズ本部において、ロイヤリティを下げたりする行為などは、1店舗だけであれば、さほど収益上問題にもならないのですが、一番の問題は上記であると思っています。
そのためにフランチャイズ本部の加盟者に対する姿勢はあくまでも当社のフランチャイズ加盟基本契約はこの通りです。これに契約しますか?しませんか?という視点でないとこの公平と平等を守っていくことはできないと思っております。
〇しかし実際には、、、、
しかし、実際には、初期段階のフランチャイズ本部は1店でも多く加盟者を募りたい思いが強いのも事実です。少し契約を変えてと考えるのも無理はありません。そのため次の原則を守って欲しいと思っています。
〇契約は1つ変えれば、今後も変えた内容で契約する前提で考えること
加盟金やロイヤリティ等の費用以外の内容になりますが、この点は本部の責任にするやこの点は加盟店の責任といった内容です。ここは、一度変えたら、その後の契約もこの内容で適用することになるという気構えを持って変えることをお勧めします。
〇初期の段階に加盟された方が得をするようにすること
これは加盟金やロイヤリティ等の費用の部分ですが、初期キャンペーン等を活用して、初期の段階が得をする仕組みにしましょう。初期の段階は、店舗数なども少なく、ブランド効果も少ないためです。後々は、戻していくことが必要となります。
上記に限らず、重要なことは、契約書の文言について、充分な知識を持ち、その決め事の背景が加盟希望者に話せることではないかと思います。安易な変更は後々のフランチャイズ本部課題につながってきますので、充分に検討頂きたいものです。
今後、フランチャイズ本部構築や立ち上げを検討されている企業様は参考に頂ければ幸いです。
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