フランチャイズ本部構築における契約期間の設定とは?
1.フランチャイズ本部構築や立ち上げにおける契約期間の設定
先日、弊社のクライアントでフランチャイズ本部構築や立ち上げを実施するための準備段階の企業様で契約期間の設定についてお話をしてきました。今回は契約期間の設定について解説をしていきたいと思います。
フランチャイズ本部構築や立ち上げを検討されている際には、必ず契約書によって本部と加盟店の関係が構築されるため、契約期間を明示します。契約期間終了後は、そのまま同条件で延長する場合もあるでしょうし、再度協議の上、再契約する契約書もあるでしょう。しかし、いずれにしても契約期間を明示することは重要なことであると考えております。
当然、フランチャイズ本部としては、契約期間が長ければ長いほど、加盟店の離脱を防ぐことができます。逆に短ければ短いほど、加盟店の現在の契約関係について協議を実施し、関係を継続するかどうかを検討できるようにもなります。つまりフランチャイズ本部にとって、契約期間とは、一長一短あるということになります。
逆に加盟店についてはどうでしょうか?
加盟店についても同様で、契約期間が長ければ長いほど、本部との継続的な関係は維持できる体制ができると言ってよいでしょう。逆に短ければ短いほど、フランチャイズ本部を見極めることができるのも事実ではないかと思います。これも一長一短あるものではないかと思っております。
つまり、この一長一短をどこが一番自社にとって、また自社に加盟する加盟店にとって有利なものかを検討し決定するものが契約期間ではないかと思います。
よく何年がいいですか?と聞かれることがありますが、企業様の方針や戦略に基づいて弊社ではベストと考えられるタイミングを決めてご提案を実施しているので、ご回答には一概には決められないというのが実情です。
2.契約期間のおかしな例
しかし、次のような場合は、ぜひ上記とは別にその制約があることを検討して頂きたいと考えております。フランチャイズ本部構築や立ち上げを実施している企業様でよくあるパターンです。
〇リースを組むことがモデルパターンの場合
リース支払い最終月を迎えずに、契約が終了するという期間設定はどうでしょうか?よくリース期間6年間等がありますが、契約は3年間という場合は、本部として加盟店のリース期間が終了せずとも契約が終了できることになってしまいます。
(当然、フランチャイズ本部として加盟店の契約更新を簡単に妨げることが出来ないことも事実ではありますが・・・・)
実際の加盟店の方の立場からすると非常に不安ではないでしょうか?
後々事業が終了した上でリース残だけが残ってしまうことになります。
〇契約期間が10年以上など長い場合
これはその業態が継続的に反映ができるものであれば問題がないと考えております。しかし、契約期間が長ければ長いほど、加盟店からすると不安も残るものとなっております。それは業態寿命です。近年、売れる業態はすぐに模倣されやすく、参入が加速されます。
そのため、業態寿命が非常に短くなっていると言われています。そのことに関して、加盟者もよく理解されていため、そんなに長くこの業態は持つものであるのだろうか?と疑問に持たれることが多くなっています。
長いことはフランチャイズ本部にとっても有利ではありますが、そのような心理に加盟店がなることを充分に配慮し、今後の商品戦略や営業戦略の方針などをしっかり説明ができることが前提ではないかと思っています。
〇投資回収期間は最低限考慮にいれる
これはリース期間とも重なりますが、投資回収期間がシュミレーション上でも完了しない前の契約期間終了というのはおかしな契約であると思っております。
自社の投資回収期間は3年半がモデルパターンであると言っているのに、契約期間が3年ではどうでしょうか?そもそも契約する意味が出てくるでしょうか?
このように加盟者の立場にも立って、充分に検討を行った上で契約期間を設定されることをお勧めします。たかが契約期間ですが、大変重要な取り決めになりますので、今後、フランチャイズ本部構築や立ち上げを検討されている企業様には参考にして頂ければ幸いです。
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