数値改善にはなぜ店長教育が必要なのか?

数値改善にはなぜ店長教育が必要なのか?

以前のブログでは、店長の役割や店長に必要な能力についてお話をしてきました。今回は多店舗展開やフランチャイズ本部展開を実施する上で、「なぜ店長教育が必要なのか?」についてお話をしていきたいと思います。

店長をいれることで何が下がるのか?

店長教育を行うにあたっても、なぜ店長教育が必要なのかを検討する必要があります。

では、最初に店長を任せるにあたって、何が下がるのかについてお話をしていきたいと思います。

多店舗展開やフランチャイズ本部展開を実施する時に、共通して弱くなる部分があります。

それが、徹底度になります。

経営者が店舗経営を行っている段階では、なかった店長を介して店舗経営を行うことになり、ここで徹底度が下がってくるのです。ではどのような徹底度が下がってくるのでしょうか?

①方針の徹底度が下がる

・社長の方針や思いの従業員やお客様に伝わりにくくなる

・店舗の成功事例が店長が正確に把握しないと他のお店に伝わらない。また、店長が成功事例を抱え込むと他のお店に展開ができなくなる。

・変化への対応の徹底度が下がる。お客様に一番近い段階が、いちばんお客様のニーズの変化に気づきます。経営者が店長に任せることで、お客様との距離が出てきて、変化が起きていることに気づきづらくなります。

つまり、経営者の思いが下まで伝わりにくくなると同時に現場で起きていていることも伝わりにくくなります。

多くはこれはコミュニケーションギャップという問題で、指示・命令・方針の出し方という発信側の問題もありますし、報告・連絡・相談といった、受けて側の問題もあります。

これを改善するには、コミュニケーションの場をつくるという仕組みの問題とコミュケーションの方法を改善する必要があります。つまりよく行われているのは、会議や朝礼などの活用ということになります。

②基本の徹底度が下がる

次に下がるのが基本の徹底度です。

これは、じわりじわりと下がりますので、一番くせ者です。

基本の徹底とはどのようなものがあるのでしょうか?

・最初は、商品品質や品揃えの徹底度です。飲食店であれば、商品のバラつきが出たり、サービスであればサービスの品質のバラツキが出たりします。小売店であれば、品揃えの徹底度が下がります。つまり人に任せることで、もともと店舗の売上の大きな要因であった商品の品質がバラツキお客様を失っていきます。

・接客サービスの徹底度が下がります。これは従業員の接客の仕方やお勧め販売などありますが、従業員のモチベーションも大きく店長によって異なってきます。

・クリンリネスの徹底度が下がります。これは清掃という面ですが、どうしても経営者は自分で造作した店舗です。自分の家という存在と人の家という存在では意識が異なります。クリンリネスの重要性を相当店長が認識していない限り、こういった売上に即影響を与えない部分は、みるみる下がる傾向が多いように感じます。

・経営数値の管理の徹底度が下がります。経営数値の管理は、店舗経営を実施するということですので、店長の経営知識も必要ですし、問題意識をもって常に改善を図ることも必要となります。経営する側と運営する側では目的・目標が異なること(経営する側は売上・利益、運営する側は顧客満足、従業員満足)も多いので、徹底度が下がることが多いのが実状です。

上記はマニュアル化やOJT、作業割当によって改善を図りますが、一番重要なものが店舗確認というチェックを働かせることです。日本の企業は特にチェックという部分が抜けがちになります。

③従業員の戦力化が徹底度が下がる。

従業員の戦力化とは、モチベーションをもって、売上・利益に直結した仕事をして頂くことですが、これも店長を介すると徹底度が下がります。

・従業員教育の徹底度がさがります。当然、従業員を教えるのは店長となりますので、個々の店長の能力によって従業員の教育ができている場合もあればそうでない場合もあります。特に教育で一番重要な動機付けに関しては、非常に大きく差が出るというのが事実です。

・責任・権限の徹底度が下がります。従業員には、責任を与えるだけでなく、権限も与えなければ最大限の成果をもたらせることができませんが、任せきれないという店長も多く存在します。責任と権限を与えることで従業員が更に成長する機会を取り逃していることも多いのです。

・情報の共有化の徹底度が下がります。これも店長にバラツキが多いものです。聞いていたら、やっていたのにということも情報を共有しないがために出来ていないことは実は非常に多いものです。戦力化されている従業員は店舗の動きをよく知っています。言うのが苦手だという店長も多く、コミュニケーションの問題が多く発生します。

・公正な評価の徹底度が下がります。これは評価の仕方はある程度の訓練が必要にもなることです。従業員の動機付けには評価が欠かせませんが、この評価の仕組みを構築するだけでなく、実際に評価者の訓練も必要になります。店長毎に評価が変わるようでは、多店舗展開やフランチャイズ本部展開はうまくいきません。

上記を改善するためには、朝礼やミーティングなどのコミュニケーションの場だけでなく、評価の仕方や実際のコミュニケーションの仕方等の教育が必要となります。

加えて、店長には率先垂範というものも必要となります。

つまり、店長教育とはこの徹底度の低下をどのようにして下げ止まりするか?また、更に上を目指すかというのが一番検討しないといけないのです。

多店舗展開やフランチャイズ本部展開を検討されている皆様は、ぜひ、自店では何の徹底度が下がっているのか?を検討して頂ければと存じます。

具体的な改善策は今後のブログでも公開していきます。

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