コンビニエンスストアチェーンの商品開発の強さの秘訣!!

コンビニエンスストアチェーンの商品開発の強さの秘訣!!

商圏調査・出店調査・エリアマーケティング・FC本部構築展開・社員研修・店長研修・講演講師:商品

1.コンビニエンスストアチェーンの商品開発

 

今回はコンビニエンスストアチェーンの強さの秘訣として、商品に焦点を当てていきたいと思います。コンビニエンスストアチェーンの強さは『変化への対応』であることを述べました。

小売業ですので、『変化への対応』が大きく『形』となって関わってくるのが商品・開発の視点になります。

時代の変化に従って、NB(ナショナルブランド中心)からPB(プライベートブランド)中心に変化を行っております。今回は、この商品開発についてお話をしていきたいと思います。

2.コンビニエンスストアのプライベートブランドは時代に変化している

まずは、ナショナルブランドとプライベートブランドの違いがわからない方もいると思いますのでその違いからお話をします。

ナショナルブランド(NB商品)とは、他のメーカーが商品開発から製造を行った商品を仕入れて販売する商品のことを言います。つまり、商品パッケージは、メーカーの看板を背負って販売される商品となります。

プライベートブランド(PB商品)とは、小売業が自ら商品開発に携わり、自社のオリジナルのブランドとしてメーカーに商品を製造して頂き、小売業が自社だけで販売する商品のことを言います。

つまり、プライベートブランドは、消費者に近い小売業主導であり、ナショナルブランドはメーカー主体の商品であります。

少し前までは、プライベートブランド商品は、他社よりも『安い』というイメージが強かったのではないでしょうか?『そこそこの品質』で『安い』商品と思われている方も多いと思います。

しかし、皆さんも日頃から近くのコンビニエンスストアを利用されていると、このプライベートブランドが、美味しくなったと感じる方も多いと思います。

これは、『時代の変化』に対応し、お客様にニーズに合わせた商品開発を行っているからなのです。

生活者1万人アンケート消費者価値観調査:野村総合研究所(2012年調査)

 2000年2006年2012年
とにかく安くて経済的なものを購入する50.2%45.3%41.2%
多少値段が高くても品質の良いものを買う40.0%43.3%46.4%
自分のライフスタイルにこだわって商品を選ぶ22.9%31.5%36.0%

生活者の意識が年々変化し、『安い』ものから『品質』に変化してきており、プライベート商品についても、商品を時代変化に合わせて変化させているのです。

その結果、コンビニエンスストアチェーンの商品に対する意識が変わってきていると思います。ではなぜ、コンビニエンスストアチェーンが実現出来るのか?

それは、次の仕組みを構築しているからのです。

3.商品開発の強さの秘訣は何か?

『コンビニの商品』は美味しくなった。そう私がSVをやっているときも多くのお客様から聞くことが多かったです。実現するには、次の仕組みが必要となっております。

①マーケティング調査の強さ

・コンビニ各社はマーケティングリサーチを徹底しております。お客様の消費動向、ニーズの全体的な情報だけでなく、POSシステムからの商品の販売動向、また、電子マネーを中心としたID-POS分析により、商品の販売動向だけでなく、お客様の消費行動も徹底的に分析し、商品開発に繫げているのです。

・また、商圏に応じたエリアマーケティングも積極的に実施しております。地域毎のお客様の嗜好までを研究し、商品開発に繫げているのです。

例えば、地域限定商品や醤油の味が違う等が代表されるものになります。

・コンビニエンスストアチェーンのマーケティング戦略は優れていると良く言われるのは、このマーケティングリサーチの強さが源泉だと私は思っております。

②自社専用工場の保有している

オリジナル商品を開発する源泉となっているのは、専用工場の保有していることだ

と思います。主要各社は、専用工場数は違えど保有しております。

専用工場は、自社の商品しか製造を行いませんので、ノウハウの流出の心配も少な

く、自社独自のマーケティング戦略の結晶と言える商品を開発し、発売することが出来るのです。

店舗数を活かしたスケールメリット

自社専用工場を持つためには、供給する先の店舗数がモノを言うことになります。それは工場を各地域に配置するためには、当然、工場の採算が必要となります。

そのためには、工場から配送ができる範囲で高密度出店を行う必要があり、それが実現できる小商圏エリアでのビジネスモデルの構築が出来ていなければ実現ができません。店舗数の増加が自社専用工場の保有も加速させ、より地域にあった、お客様のニーズにあった、商品開発が出来るのです。

④物流網の整備されている

新鮮な商品の方が、美味しい。これは当たり前のことだと思います。

実現するためには、当然、工場から店舗までの最短時間での配送が重要となります。

そのため、物流網の整備が必要となるのです。その仕組みを構築していることが、コンビニエンスストアチェーンの強さにも繋がっております。

4.まとめ

今回は、コンビニエンスストアチェーン本部の強さの秘訣として商品開発に焦点を当てて、お話をしました。商品は小売業に関わりなく、商売においては重要です。フランチャイズシステムに加盟される独立志望の方は、当然『強い商品』『強いビジネスモデル』を求めて加盟されると思います。

商品開発の強さは本部の役割で非常に重要な役割であり、それを実現するには、仕組みが必要となります。独立志望の方は、今回のコラムの視点をもとにFC本部の仕組みに着目されることも非常に重要だと考えます。

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