フランチャイズ本部の売上金送金の考え方
先日、フランチャイズ本部構築・立ち上げを検討されている本部様から、売上金送金についてご相談がありました。今回はそのことについて皆様にシェアしたいと思います。
1.そもそもなぜ売上金送金を求めるフランチャイズ本部があるのか?
フランチャイズ本部には、売上金の送金を求めるフランチャイズ本部があります。
これは、商品代であったり、原材料費やロイヤリティ等の担保として、売上金を1度、フランチャイズ本部で預かり、本部で一括支払い等をして、残りをフランチャイズ加盟店に返還するものです。
コンビニエンスストア等では多く取り入れられ合理的な仕組みとして運用されています。
(コンビニエンスストアでは、商品代金をメーカーに一括で支払いを行うため、このような方法がとられています)
しかし、今回のご相談はそういった内容のものとは全く別のものでした・・・
加盟店がロイヤリティや仕入れ代を支払うかどうかわからないから、売上金は全額一括で送金を受けて、その中から、本部としては、ロイヤリティ等の清算を行い、経理計上が追いつかないため、当月のものを翌々末で支払いを行いたいけど良いのかというご相談でした。
確かに売上金というのは、加盟店だけで上げた売上だけでなく、フランチャイズ本部も共同で上げた売上金であることから、その管理はお互いの契約書などでうたって了解を得られれば良いのですが、私が一番ひっかかるのは翌々末という話です。
当月末のものを翌月末であれば、意味は理解できるのですが、翌々末ということは2ヶ月先に入金ということに加盟店はなってしまいます。その間の運転資金は加盟店が自身の力で工面するわけですから、これは果たして対等な関係なんだろうかという非常に疑問に思います。
それも経費計上上の問題ということであればこれは本部の勝手な都合であり、このようなフランチャイズ本部があってよいものかと思います。(弊社ではこのような案件はお受けいたしませんが・・・・)
このような話をするとそのようなフランチャイズ本部ばかりかと思われますが、ほとんどがそのようなフランチャイズ本部ではなく、真っ当にされているところがほとんどです。
ですが、そのようなフランチャイズ本部があることで、
「また、フランチャイズのイメージが悪化するな・・・」と思うと悲しくなります。
2.売上金送金の考え方
売上金は、フランチャイズ本部の経営ノウハウやイメージ等と加盟店営業努力で上げた、共同の売上金です。そのため、本部のものあり、加盟店のものでもあると言えます。
そのため、売上金の送金は、フランチャイズ本部が
例えば、加盟店の商品や原材料など支払いを代行していたり、
保証金等を取らないため、ロイヤリティ等の担保としたり、
本部が加盟店の煩雑となる経費処理を代行していたり・・・・等
合理的な場合には、私は実施するべきであると思っています。
しかし、その場合の売上金の返金の期限は遅くとも翌月末までには実施すべきであると思います。
また、ロイヤリティ等の担保としてとるのであれば保証金という考え方もあります。
保証金とは本当に未払い等の経費のリスク対策として最初に加盟金から預かり受けるお金のことです。
一方的に売上金をフランチャイズ本部が好きなように活用してよいものでもありませんし、あくまでも加盟店とフェアな関係であって欲しいと思っています。
今後、フランチャイズ本部構築や立ち上げを検討されている皆様については、売上金の送金については今一度、加盟店とのフェアな関係ということも検討して、考えて頂きたいと思っています。
逆に売上金の送金で売上を確定させるフランチャイズ本部のご相談も過去にあったことがあります。このような場合は、売上のデータと売上金送金の相違額については必ずチェックしなければ、売上の正確な確定はできません。
売上の〇%等とロイヤリティを掛けることも多いですので、ぜひ、正確な売上金の送金額の確定をして頂く仕組みが必要になってきるものと存じます。
これについても今後、フランチャイズ本部構築や立ち上げを検討されている方は、しっかりリスク対策としてご検討頂きたいと存じます。
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