店長が行う数値検証の流れとは?
多店舗展開やフランチャイズ本部展開を実施する上にあたって、店長が数値の意味はわかるが、数値検証から改善を図るための流れがわからないという話をよく聞きます。今回は数値検証からどのように数値を分解し、改善行為を出していくべきか?流れを解説したいと思います。
1.数値検証する流れの基本的な考え方
多店舗展開やフランチャイズ本部展開を実施する上で、重要な店長。
店長は当然、店舗のオペレーションもできないといけませんが、それだけでなく、店舗の数値についても検証し、改善策を立案できないといけません。
損益計算書は、中身はわかるけど、どのように改善に繋げていいかわからないというご相談をよく受けます。今回については、その流れについてお話をしていきたいと思います。
最初にお話をするのは、数値検証には基本的な1つの原則があります。
それは・・・・
大きな視点から小さな視点へと数値を検証する
ということです。
例を上げると次のような流れになります。
①売上の前年比を検証する ⇒ 前年よりも売上前年比が下がってきている
↧
②売上=客数×客単価から成り立つ ⇒ 客数前年比が下がってる。客単価は変わらない。
↧
③客数=新規客+既存客 ⇒ 新規客が減っている。
↧
④新規客が減っているのは?
⇒ 商品の問題? 商圏・立地の問題? サービスの問題? 販促の問題?
このように、大きな数値から分解して、どこに問題があるのかを特定し、問題点を抽出することになります。
これが、数値検証で一番理解しておかなければならない流れとなります。
上記で言うと、新規客はサービスは経験してませんし、今まで新規客は来店していたわけですから、事例として次のような流れを考えます。
①商品・・・商品に目玉性がなくなってきているのではないか?
②商圏・立地・・・近隣の環境が変わってきているのではないか?
③サービス・・・ここは関係なし
④販促・・・販促媒体の効果が薄れている?内容に飽きが出てきている等ではないか?
4つの問題で分析します。そうすると次は、
①商品・・・目玉商品の販売数を確認する。ここが落ちてきているなら、商品に問題がある
②商圏・立地・・・近隣に環境の変化が発生しているか確認する。
③サービス・・・ここは関係なし
④販促・・・媒体毎に以前と効果の検証を行う。ここが落ちているなら、販促方法や媒体を変える。
このように改善する案を検討し、実践し、また検証するという流れで実施していきます。
上記の視点は検証する中身を変えれば、飲食業でもサロンでも小売業でも、サービス業でも活用可能です。
また、売上だけでなく、利益の検証も上記の流れで検証を実施していくことが出来ます。
2.数値における基本姿勢
私は、多店舗展開やフランチャイズ本部展開を実施する企業を支援する上で、次のことを必ず、経営者だけでなく、店長やスーパーバイザーにも伝えています。
①数値は嘘はつきません
数値は嘘はつきません。たまたまということを言う人がいますが、たまたまでも必ず数値が上がる要因は下がる要因があります。たまたまの要因分析が出来ていないだけです。
②運で上がった数値は2度と上げることが出来ない
①にも共通しましすが、正確に上がった要因や下がった要因を理解していないと、次にあげることはできません。必ず数値検証して、要因を分析することが重要です。
③数値は手をうったことにしか反応しない
数値はご自身がうった手数と内容に比例して反応します。そのためには、何が売上を上げるのか?何が下げるのかをしっかり把握する必要があり、更に手を打ち続けるしかありません。
④数値検証だけではダメ。
必ず商品・立地・サービス・販促のどの部分に問題があり、どのような改善策を打つかを検討するかが重要です。検証だけであればただの評論家です。
上記の検証は、私は毎日、毎週、毎月、3ヶ月毎、半年毎、年毎のタイミングでしていく必要があります。当然、中身は変わりますが、まずは検証する癖をつけていくことが重要だと思います。毎日、上記の流れで検証ができるようになれば、1年~2年で数値改善ができる店長やスーパーバイザーになるはずです。
ぜひ、上記の基本的な流れを愚直に実践して頂ければ幸いです。
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