飲食店の商品戦略は、なぜ、目玉が必要なのか?

飲食店の商品戦略は、なぜ、目玉が必要なのか?

商圏調査分析・立地調査・エリアマーケティング・FC本部構築展開・社員研修・店長研修・講演講師:マクドナルド

1. 飲食店の商品戦略はなぜ目玉が必要なのか?

前回のコラムでは、飲食店開業のために必要な5つの秘訣について概略をお話しさせて頂きました。今回からその1項目ずつを詳細にご説明していきたいと思います。

今回は、1番目として、商品戦略として目玉の必要性についてお話しをさせて頂きます。

皆さまは飲食店に行くとき、どのように考えてお店を選ぶでしょうか?

まずは、何が食べたい・・・ ⇒ 業態から入る方もいると思います。
もしくは、お店の前を通っていて ⇒ このお店美味しそう・・・
さらには、友人からこのお店に行こうと言われて・・・

いろいろなシチュエーションがあると思います。

その時を想像して頂きたいと思います。『何が』あるから入店されるでしょうか?

店舗の目玉商品となる大きな写真を見て、『美味しそう』と思われて来店されませんか?
目玉商品はお客様を来店誘引させるにあたって重要なものとなります。

では、なぜ、『業態 例えば:うどん屋』だけではいけないのでしょうか?
現在は、同一の業態は山ほどあります。競合が山ほどあるということです。
うどん屋にしてもラーメン屋にしても同じようなお店が近隣の商圏内には山ほどあります。

そうするとお客様は『どのお店に行きたいのか?』という判断基準がわからなくなります。
そこでお客様に『うちのお店はこれがウリなのですよ』と伝えるのが目玉商品となるわけです。つまり、差別化を図った結果の商品が目玉商品ということになります。

これは小売業ではよく来店誘引策としてとっていますが、ドラックストアを例にとってお話しをします。ドラックストアの菓子はなんであんなに安いのでしょうか?

それを入口に山ほどボリューム陳列しています。ドラックストアは菓子で収益を取ろうとしているのはなく、菓子を目玉商品として価格という差別化要因で誘引し、来店を誘引させ、関連商品としての薬で粗利を稼ぐという形をとっている場合が非常に多いです。

つまり、商品を通じて、お客様を来店誘引しているわけです。

これは価格という商品力で誘引していますが、商品の質で誘引もできますし、雰囲気なども飲食店としては、来店誘引の商品となります。繁盛している飲食店をみると『すぐに思いつく商品』があると思います。これが『目玉商品』です。

私は、これから開業するにあたっては、この『目玉商品』をぜひ検討して頂きたいと思います。目玉商品をつくる=差別化商品をつくるということになります。

現在の競合が過多で市場が成熟している状況では、この差別化が非常に重要なのです。
差別化できない=他のお店と同じでは、圧倒的な立地で勝負しない限り、勝てないという結果となります。お客様はあくまでも商品を購入しに来店されているのです。

2.目玉商品をつくるには?

目玉商品といってもいろいろあります。皆さまのお店のウリをつくるということになります。手順は、業態の決定⇒市場調査⇒商圏調査⇒競合調査⇒自店分析⇒商品戦略の策定の順番になります。

① 業態を考える

・最初は、皆さんの行いたい業態を考えます。これはおおよそ、『うどん屋』や『ラーメン屋』などです。これがない方は飲食店を今から始めたいという方はあまりいないと思います。

② 市場調査の情報を活用する

・次は、市場調査となります。インターネットや新聞や雑誌等から、自分が行いたい、業態の情報を収集します。

・その中で調べて頂きたいことは、現状では『どんなお客様が?』『いつ(利用シーン)』『どんなニーズがあり』『何を(競合の商品)』『どこで』『どのような方法で?』で購入しているのか?を知ることになります。

・重要なことはその5W1Hの中での現在の不満やニーズを調べることです。そしてその不満やニーズを満たす商品コンセプトを検討してみます。

③ 商圏調査の情報を活用する

・市場調査は、あくまでも日本ではどうなのか?という視点です。
・商圏調査で自分が開業をしたいところではどうなのか?という視点です。
・商圏調査の手法は今までのコラムでもお話ししてきましたので割愛しますが、商圏調査を行うと商圏内の先ほどの5W1Hが見えていると思います。そこで、市場調査で検討を行った商品コンセプトが商圏に合うのかどうかのか?を検討します。

④ 競合調査を行う

・商圏に商品コンセプトが合うということがわかれば、次は競合調査を行います。
・ここでいう競合はあくまでも、自社の商品コンセプトに似ている業態や商品を扱っているところが、競合となります。
・そこで自店が検討している商品コンセプトに対して強み・弱みを抽出します。

➄自店分析を行う
・競合の商品コンセプトの強み・弱みを抽出した後は、自店の強み・弱みを同じ基準で分析を行います。そうすると自店のとらないといけない商品の目玉戦略が自ずと見えてくると思います。

⑥目玉商品の決定
・現在までの調査分析の結果をもとに、目玉商品を決定します。
・ここまで調査をすれば、出来上がっていると思いますが、この目玉商品は明確に『どんなお客様が?』『いつ(利用シーン)』『どんなニーズに対して』『何を(目玉商品)』『どこで(立地)』『どのような方法で購入してもらうか?』が決まっているいなければなりません。このお客様が買うシーンが想像できない商品は私の経験上、絶対に売れません。
・更に、目玉商品と関連して何を購入してもらうか?を決めれば、商品戦略は決定します。

3. 目玉商品=販促と一致させる

上記の手法で決定した目玉商品は、必ず販促と一致させなければなりません。販促を通じて、お客様にお店のことを知って頂くわけですから、広告も店頭に置くメニュー表も、店内のメニュー表も目玉商品を意識して作成する必要があります。ここが内容の食い違いがあると、お客様に自店の差別化要因が伝わらずに、成果に繋がらない形になります。

4. まとめ

本日は、飲食店開業に向けて、目玉商品をつくることについてお話しをしました。
目玉商品は食べ物だけでなく、雰囲気になる場合もありますし、イベント等にもなる場合もあります。

私は、差別化要因が全くない店舗を見たことはありません。それが差別化されていることを気づいていないことの方が多いです。

調査と分析をして頂ければ必ず見つかりますし、もしなければ作ればいいだけのことです。ぜひ、成功の是非に関わりますので、充分に時間をかけて検討して頂くことをお勧めします。

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