小売側がある商品について値上げを行う際に気をつけたいポイント

小売側がある商品について値上げを行う際に気をつけたいポイント

商圏調査分析・立地調査・エリアマーケティング・FC本部構築展開・社員研修・店長研修・講演講師:値上げ

《節約社長寄稿》

1.ガリガリ君の値上げ

ガリガリ君の値上げがTVでも話題となった。更に社員総出の「お詫びCM」が大反響であり、 「値上げ」逆手に動画再生10万回超えるとも言われている。

今回は、値上げに際して、気をつけたいポイントについて考えていきたいと思います。

今回のガリガリ君については、今まで25年間60円(税抜き)だったものが70円(税抜き)に値上げを踏み切ったというものであるが、時代背景には、原材料の高騰があります。

メーカー側としては、値上げを行うとそれまでお客様がついていた商品が離れる危険性もあり、非常に苦渋の決断をしないといけません。しかし、原材料の高騰は、1社で止められるものではないため、利益を圧迫し続けるということになれば、値上げも選択肢として考えないといけないということになります。

そこで何を気をつければ良いのでしょうか?

2.値上げはお客様から理解得られなければならない

値上げを行う際に、まず一番考えないといけないことは現在まで固定客としてその商品についているお客様のことです。そのお客様が『しょうがない』と思って頂かなければならないということです。ここで一番気をつけなければならないことは企業の利益的側面が見えるとお客様からは逆に反発を受けるということになります。

  • 時代背景や外部環境の変化があること

値上げは、原材料高騰や外部環境の変化により、企業の自助努力を行ってもどうにもならないことが説明できること

  • 企業の努力が見えること

単に原材料の高騰があっただけで、値上げという形になるとお客様は納得してもらえません。つまり自助努力を行ったという証が必要なのです。

  • あくまでも値上げは企業都合であり、お客様都合ではないこと

値上げを行うことは、企業の利益圧迫が原因ですので、今回のガリガリ君のように、社長自ら、CMを活用して謝罪をするといったレベルは別としても『申し訳けない』という意思がお客様に伝わることが必要です。

  • 価値の向上であれば、値上げ理由になる

逆に、原材料等が高騰していなくても値上げを行うことは可能です。

それは、『価値が上がる』ことです。

商品のグレードアップを行ったりすれば商品そのものが変わるわけですから、値上げは可能です。そこで重要なことは、『何が変わって値上げをすることになったのか?』がお客様目線で必要ということです。

3.絶対にやってはいけないこと

逆にやってはいけないことは何でしょうか?これもお客様目線で考えます。

  • お客様はわからないと思って『こっそり』値上げを行うこと

野菜や魚等のように価格相場が毎回変わる商品は別として、一般的な商品は、それまで商品についているお客様がいらっしゃいます。

そのお客様が値段をよく理解していないだろうと思って『こっそり』値段を上げることは、商品からお客様が離れていく行為となります。

その商品のメインのお客様は毎回リピートして頂けるお客様で成り立っていますので、そのお客様は商品の価格をよく理解しています。

  • お客様にとって正当な理由がないこと

これはお客様目線でということが重要です。価値を上げたとメーカー側が思っていても、お客様がそれを価値と思っていなければ、お客様にとって正当な理由とはいえません。

4.まとめ

値上げ事態では、お客様から苦情がくることは実態としては少ないと思います。

その代わりに、販売数や売上に対して顕著に反映してきます。

つまり、お客様は値上げに対して暗黙の抵抗を行うということなのです。

お客様から明確に苦情があれば、まだいいと思いますが、自然と購入しなくなるというのが一番怖いことです。

必ず、『お客様目線』ということが必要で、『正当性』をしっかり『伝える』という努力が必要です。それが伝われば、ガリガリ君のように逆に、指示を受ける結果にも繋がります。お客様は感情で商品を購入します。是非、値上げを行う際には、参考にして頂きたいと思います。

【販路企画の著書】

【販路企画のセミナー】